◎フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。
オピオイド系鎮痛剤のフェンタニルの錠剤(Getty Images)

米財務省は12日、フェンタニルの製造と取引に関与した疑いでメキシコ人10人に制裁を科した。

それによると、この10人には米国で終身刑に服している麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の義理の兄弟も含まれているという。

同省は声明で、「グスマンの親族らは米国に密輸されたフェンタニルの大部分に関与している」と述べている。

ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は声明で、「この措置はメキシコ政府と調整・決定したものであり、世界で最も危険な麻薬組織と個人を制裁リストに追加する」と述べた。

財務省は中国企業から化学物質を輸入しているメキシコに拠点を置く企業も制裁リストに追加した。

リスト入りした組織および個人が米国内に保有する資産はすべて凍結され、米国市民との取引も禁じられる。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。

メキシコの麻薬カルテルは中国から輸入した合成オピオイドからパニック障害治療薬ザナックス(Xanax)、アデラル(Adderall)、オキシコンチン(OxyContin)などの処方薬に見せかけた薬物を製造し、西側諸国に送っている。

米当局は4月、制裁リストに加えられている麻薬カルテルの幹部3人の逮捕につながる情報に報奨金を設定した。

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