◎先月のインフレ率は前年同月比で4.9%増。連邦準備制度理事会(FRB)の目標値2%は遠く、3月から0.4%増となり、インフレが続いていることを示唆した。
米ワシントンD.C.連邦議会(Getty Images)

労働省が10日、先月の消費者物価指数(CPI)を公表した。

それによると、先月のインフレ率は前年同月比で4.9%増。連邦準備制度理事会(FRB)の目標値2%は遠く、3月から0.4%増となり、インフレが続いていることを示唆した。

食品価格は前年同月比で7.7%増。シリアルとベーカリー製品は約12%増。小麦粉は約18%増となった。

卵の価格は21%増となり、鳥インフルエンザの影響を受けた3月から減速したが、それでも高い。

牛肉、ベーコン、ソーセージの価格は前年より下がっている。

航空運賃もこの1年間でわずかに値下がりした。

FRBは先週、フェデラルファンド(FF、短期借入)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、5.00~5.25%とした。

FRBの利上げによる銀行危機は投資家の不安を煽った。ファースト・リパブリック銀行の破綻は世界に衝撃を与えたが、一部のアナリストはその影響を「限定的」とみている。

3月のインフレ率は前年比5%増。昨夏のピークを大きく下回ったが、FRBの目標値に到達する前に景気後退に陥るという懸念が高まっている。

今月初めに労働省が公表したデータは今年に入ってから経済成長が鈍化し、利上げが企業活動にブレーキをかけていることを示していた。

統計によると、2023年第1四半期のGDP成長率(速報値)は前期比1.1%増。前期(2022年第4四半期)の2.6%から大幅に鈍化したが、個人消費は堅調さを保っていた。

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