◎カナダから米国に渡ろうとする移民は増加傾向にあり、この数カ月で10人近くが死亡している。
2023年3月31日/カナダ、東部ケベック州のセントローレンス川、行方不明になった移民を探す救助隊(ロイター通信)

カナダの警察当局は31日、米国と国境を接する東部ケベック州のセントローレンス川で移民とみられる6人の遺体を発見し、幼児1人が行方不明になっていると発表した。

カナダ放送協会(CBC)は警察関係者の話として、「6人の遺体は転覆したボートの近くで31日に発見された」と報じている。

警察は声明の中で、「6人はルーマニアとインドの移民家族と見られ、米国に不法入国しようとしていた可能性が高い」と説明した。

警察によると、最初の遺体は31日の17時頃(現地時間)、米国とカナダの国境に近いセントローレンス川につながる湿地帯で見つかったという。

その後、捜索隊は他の遺体も収容した。6人の身元は明らかにされていない。

地元警察の署長は記者会見で、「6人はルーマニア系とインド系の家族とみられる」と語った。

また署長は「ルーマニアの幼児1人が行方不明になったと考えており、捜索を続けている」と述べた。

署長は亡くなった6人のうち1人は3歳未満の幼児と明らかにした。

CBCによると、亡くなった幼児はルーマニア人で、カナダのパスポートを身に着けていたという。

捜索隊は今週、この地域で行方不明になったカナダ人男性を探していた。

この男性と移民6人のつながりは不明。CBCによると、男性の行方は今も分かっておらず、捜索隊がセントローレンス川とその周辺で捜索を続けている。

カナダから米国に渡ろうとする移民は増加傾向にあり、この数カ月で10人近くが死亡している。

1月には北極圏の片隅に位置するマニトバ州の雪原で幼児を含む4人の遺体が発見された。

昨年12月にはケベック州モントリオールの河川を国境を泳いで渡ろうとした男性が死亡した。報道によると、この男性は米国で生活する妻子と一緒に生活することを望んでいたという。

米国境警備隊の統計によると、1月にカナダから入国を試みた移民は367人。これは過去12年の間に入国を試みた移民の合計より多い。

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