◎国防総省は追加支援について、「ウクライナ軍のニーズに応えるもの」と説明している。
2022年4月20日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、左からオースティン国防長官、バイデン大統領、ミリー統合参謀本部議長(Evan Vucci/AP通信)

米国防総省は21日、ウクライナに8億ドル(約1000億円)相当の追加軍事支援を送ると発表した。

バイデン大統領は演説の中で追加支援について、「ウクライナ東部におけるロシアの攻勢への対応を強化することが目的」と説明した。

またバイデン大統領はウクライナへの軍事支援を継続し、議会にさらなる資金提供を求めると強調した。

ロシアは米国にウクライナへの兵器供与を停止しなければ不測の事態に発展する可能性があると警告している。

バイデン大統領は、「米国はプーチン大統領に明白なメッセージを送っている」とし、「ロシアがウクライナ全土の支配と占領に成功することは決してない」と断言した。

国防総省は追加支援について、「ウクライナ軍のニーズに応えるもの」と説明している。

ロシア軍は18日に東部ドンバスにおける大規模作戦を開始し、それ以来、ウクライナ軍の拠点を含む地域全体を砲撃、空爆している。

ゼレンスキー大統領は先週、西側諸国に戦闘機や戦車などの重火器を送るよう要請していた。東欧のNATO加盟国は旧ソ連の戦車を送っている。

今回の追加支援には78基の155mm榴弾砲(大砲の一種)、それを運搬する同数の車両、それに付随する14万4000発の弾丸が含まれている。

また、120機以上のフェニックスゴーストと呼ばれるドローン、その予備部品と運用に必要なシステムも供与される。

フェニックスゴーストは米軍需企業がウクライナの要請を受け開発した「ゴーストドローン」で、米国がこれまで提供してきたスイッチブレード(通称神風ドローン)と似た性能を持つとされるが、詳細は明らかにされていない。

国防総省のカービー報道官は記者団に、2月24日の開戦以来、米国のウクライナに対する軍事支援は34億ドルに達したと発表した。

またカービー報道官は、「ロシア軍が現在攻勢をかけている東部ドンバスの平坦な地形には榴弾砲が適している」と説明した。

米国は榴弾砲18基を先週供与している。また米軍は今週、国外でウクライナ兵に対する兵器使用訓練を開始した。

カービー報道官は、「榴弾砲はウクライナ軍の追加火力として機能する」と述べた。「米国は現地の地形、地理、ロシアの作戦を理解した上で、ウクライナには追加の砲兵火力が必要だと判断しました」

またカービー報道官は、「フェニックスゴーストの開発は侵攻前に始まっていた」と説明した。「米国は東部戦線にはドローンが必要というウクライナ政府の要請に基づき、フェニックスの開発を推し進めています...」

国防総省によると、フェニックスゴーストは特殊な地形に適しているという。またスイッチブレードと同じく、基本的に自爆攻撃専用とされる。

2014年10月11日/アラスカ州の基地、榴弾砲と米兵(U.S.-Department-of-Defense)
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