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米国観光業、減少するカナダ人旅行者の呼び戻しに苦戦

米国とカナダは長年、経済や文化、人の往来で深く結びついてきたが、トランプ大統領の再就任後、両国関係は急速に悪化した。
カナダと米国の国旗(AP通信)

米国の観光業界が減少したカナダ人旅行者を呼び戻そうと懸命になっている。米国とカナダは長年、経済や文化、人の往来で深く結びついてきたが、トランプ(Donald Trump)大統領の再就任後、両国関係は急速に悪化した。

関税を巡る対立に加え、トランプ氏がカナダを「51番目の州」にする可能性に言及するなどしたことが、カナダ側の反発を強め、米国旅行を敬遠する動きにつながっている。

実際、カナダから米国への旅行者数はこの1年で大きく落ち込んだ。2025年にはカナダ人の米国への旅行が前年比で約25%減少し、旅行関連の消費額も約24億ドル減った。米国にとってカナダは最大級の外国人旅行市場の一つであり、旅行者の減少はホテル、飲食店、小売店、観光施設など幅広い業種に影響を及ぼす。

こうした状況を受け、ニューヨークやラスベガスなどの観光地では、カナダ人向けの割引や為替面での優遇策などを打ち出し、再訪を促している。観光関係者からは、政治と観光を切り離し、これまで築いてきた人的交流を維持したいとの期待も出ている。

しかし、観光業界の努力だけでは問題を解決しにくい。米国とカナダの間では関税の応酬が続き、首脳同士の発言も対立を激化させている。カナダ人旅行者の一部は、米国で歓迎されないのではないかという不安や、国境での対応への懸念から、旅行先をメキシコなど別の国へ変更している。

今回の問題は、単なる観光客減少にとどまらない。旅行は両国の市民が直接交流する重要な手段であり、その減少は長年築かれてきた相互理解にも影響を与える可能性がある。

米国の観光業界がカナダ人を呼び戻すには、割引や宣伝だけでなく、政治的な緊張を緩和し、「米国はカナダ人を歓迎している」という信頼を取り戻すことが重要になる。

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