米司法省、印アダニ・グループ会長の詐欺容疑取り下げへ
問題となっていたのは、アダニ氏と複数の幹部が2024年に起訴された大規模贈賄疑惑である。
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米司法省は18日、インドの大財閥アダニ・グループのゴータム・アダニ(Gautam Adani)会長に対する詐欺および共謀罪の訴追を取り下げる方針を明らかにした。ニューヨーク連邦地裁に提出された文書によると、検察側は「限られた司法資源を他案件に振り向ける必要がある」と説明しており、裁判所が認めれば事件は終結する見通しである。
問題となっていたのは、アダニ氏と複数の幹部が2024年に起訴された大規模贈賄疑惑である。米当局はアダニ・グリーン・エナジーなどがインド国内の太陽光発電事業を受注するため、政府関係者に約2億6500万ドルの賄賂を支払ったと主張していた。また、その事実を隠したまま米国投資家から資金調達を行ったとして、証券詐欺や通信詐欺などの罪にも問われていた。契約規模は総発電容量12ギガワットに及び、事業利益は20億ドル超になるとみられていた。
アダニ氏側は一貫して不正行為を否定してきた。訴追後、アダニ・グループは国際金融市場で信用不安に直面し、一部の海外案件や融資計画が停止・撤回されるなど大きな影響を受けた。ケニアでは空港運営権を含む大型インフラ計画が中止されるなど、波紋は国外にも広がっていた。
今回の方針転換の背景には、トランプ政権下での司法政策変更があるとみられる。報道によると、政権は海外腐敗行為防止法(FCPA)の執行を一時停止し、外国企業への摘発姿勢を見直していた。さらに、米証券取引委員会(SEC)も並行して進めていた民事訴訟について和解に応じ、アダニ氏側は違法行為を認めないまま制裁金支払いで決着する見込みとなっている。
一方で、今回の訴追取り下げを巡っては、政治的配慮を疑問視する声も出ている。複数の米メディアは、アダニ氏がトランプ(Donald Trump)大統領の個人弁護士として知られるロバート・ジュフラ(Robert J. Giuffra Jr.)氏を起用したことや、米国内に100億ドル規模の投資計画を提示したことが影響した可能性を報じている。ただし司法省側は、投資計画と判断に関連はないとしている。
アダニ氏は石炭や港湾事業で財を成し、近年は再生可能エネルギー分野へ事業を拡大してきた。インドのモディ政権との近さも指摘される一方、過去には空売り投資会社から株価操作疑惑を提起されるなど、国内外で厳しい監視を受けている。今回の訴追撤回は同氏の事業再建に追い風となる可能性がある。
