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ケニアで燃料価格の高騰に抗議するデモ、4人死亡、350人逮捕

抗議デモはナイロビだけでなく複数の都市にも広がった。
2026年5月18日/ケニア、首都ナイロビ、燃料価格の高騰に抗議するデモ(AP通信)

ケニアの首都ナイロビで18日、燃料価格の急騰に抗議する大規模デモが発生し、警察との衝突で少なくとも4人が死亡、30人以上が負傷した。政府による燃料価格引き上げに反発した公共交通機関の事業者団体が全国規模のストライキを実施し、通勤客らが足止めされる事態となった。

抗議デモはナイロビだけでなく複数の都市にも広がった。道路ではデモ隊がタイヤを燃やして幹線道路を封鎖、一部では車両への放火も確認された。警察は催涙ガスで応戦し、地元メディアによると、一部地域では実弾発砲もあったとされる。内務省は記者会見で、暴力的な抗議デモに関与したとして348人を逮捕したと発表したが、死者が出た経緯は明らかにしなかった。

今回の抗議の背景には、過去最高水準となった燃料価格がある。政府は16日、ディーゼル価格を23.5%、ガソリン価格を8%引き上げた。政府は中東情勢の悪化、とりわけイランを巡る紛争によって世界的な石油供給が圧迫されていることが原因だと説明している。ケニアは燃料の大半を中東から輸入しており、国際価格の変動が国内経済を直撃しやすい構造にある。

燃料高騰は交通費や食料品価格にも波及している。ロイター通信によると、ナイロビではガソリン価格が1リットル当たり214.25ケニア・シリング(約262円)に達し、トマト4個の価格が従来の約3倍となる60シリングまで上昇した。市民生活への打撃は深刻で、公共交通を利用する労働者からは「通勤費が倍増した」と不満の声が上がっている。

商工会議所も声明を発表し、「今回の値上げ幅は世界市場の原油価格上昇を大きく上回っている」と批判した。さらに、2024年に汚職疑惑で失脚し野党側に回ったガチャグア(Rigathi Gachagua)前副大統領は、「国内の利権業者が利益を拡大している」と政府を非難した。同氏は、ケニアの港湾を利用して燃料を輸入している隣国ウガンダよりも、ケニアの価格の方が高い点を問題視している。

一方、ルト(William Ruto)大統領は外遊中で、今回の価格引き上げや抗議デモについて公式コメントを出していない。政府は運輸、財務、エネルギー各省の閣僚と交通事業者との協議を進める方針を示しているが、生活費高騰への不満は強く、混乱の長期化も懸念されている。

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