◎スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年9月10日/スリランカ、首都コロンボ郊外の集落、米国際開発庁のパワー長官(左)と国連担当官(Eranga Jayawardena/AP通信)

米国際開発庁(USAID)は10日、危機的状況にあるスリランカに4000万ドルの農業支援を提供すると発表した。

スリランカの首都コロンボを訪問中のサマンサ・パワー(Samantha Power)USAID長官は記者会見で、「次の耕作シーズンまでに肥料や農業資材の購入に必要な資金を援助する」と語った。

またパワー氏は、「低所得農家を支援するために先に発表した600万ドルは、この4000万ドルに含まれる」とした。

スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。

国の信用は外貨準備の枯渇と債務不履行で失墜し、信用取引で燃料を販売してくれる取引先は激減した。政府は石油貯蔵施設が空になりかけているとして、燃料の販売を制限している。

外貨が枯渇した結果、食料、燃料、医薬品などの必需品が極端に不足した。また政府は有機農業を推進するために化学肥料の輸入を禁じてしまい、結果、過去2シーズンの農作物の収穫高は半分以下に落ち込んだ。

パワー氏は記者団に対し、「経済危機が農家と地域社会に壊滅的な影響を与えていることを今回の視察で完全に理解できた」と語った。

世界食糧計画(WFP)によると、スリランカの人口の約30%に当たる600万人が現在、食糧不足に直面しており、人道支援を必要としているという。

パワー氏はこの資金で100万人の農民を助けることができると説明した。

ィクラマシンハ政権と国際通貨基金(IMF)は4年総額29億ドルの支援策で暫定合意している。IMFは政府に債務再編を確実に実行するよう求めている。

スリランカの対外債務の総額は510億ドル以上に上り、そのうち280億ドルは2027年までに返済しなければならない。

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