◎投票の結果、「有罪57-無罪43」となり、トランプ前大統領の無罪が確定した。
◎悔い改めないトランプ前大統領は判決後の声明で喜びを語った。
◎民主党の敗北記者会見の後半、怒り心頭のナンシー・ペロシ下院議長が突然姿を現し、報道陣を唖然とさせた。
2021年2月13日 AP通信/ワシントンD.C.議会議事堂、チームトランプの弁護団

2月13日午後、反乱軍の最高司令官、トランプ前大統領を裁く上院弾劾裁判が結審した。

投票の結果、「有罪57-無罪43」となり、トランプ前大統領の無罪が確定した

トランプ前大統領を有罪にするためには上院の3分の2以上の賛成が必要であり、下院民主党弾劾チームは目標の67票を獲得することはできなかった。

悔い改めないトランプ前大統領は判決後の声明で喜びを語った。
「これがアメリカ史上最大の魔女狩りの結果です。アメリカの大統領はこれまで今回のような経験をしたことがありません、民主党は約7,500万人の市民の存在を忘れ、元大統領を陥れようとしました」

「アメリカを再び偉大にするための歴史的、愛国的、そして美しい運動はまだ始まったばかりです。これからの数ヶ月で、私はあなたと共有することがたくさんあります。民主党はそのような美しいものを決して提供しないでしょう!」

13日午前、上院は証人(共和党のジェイミー・ヘレーラ・ビュートラード下院議員)を召喚せず、書面による証言を証拠として認めることを選択した。

2021年2月13日 AP通信/ワシントンD.C.議会議事堂、下院民主党弾劾チーム

その後、検察官と弁護士の最終弁論が行われた。

下院民主党弾劾チームのマデリーン・ディーン議員は最終弁論で、「上院議員。私たちは歴史および過去と対話し、未来への希望を得たと確信しています」と述べた。

マデリーン・ディーン下院議員:
「私たちが今日、ここでしたこと。私たち一人一人の行動が歴史になり、後世に語り継がれるでしょう」

投票の結果、57人の上院議員が有罪に投票し、43人の共和党員が無罪に投票した。民主党は目標の67票を達成できず、敗れた。

有罪に投票した共和党員は次の通り。
・ミット・ロムニー(ユタ州)
・スーザン・コリンズ(メイン州)
・リサ・ムルコウスキー(アラスカ州)
・ベン・サス(ネブラスカ州)
・ビル・キャシディ(ルイジアナ州)
・リチャード・バー(ノースカロライナ州)
・パット・トゥーミー(ペンシルベニア州)

ロムニー氏は、トランプ前大統領の1回目の弾劾裁判で有罪に投票した唯一の共和党員である。

キャシディ氏は投票後、「合衆国憲法とアメリカを何よりも尊重しなければなりません。私はトランプ前大統領は有罪だと判断しました」と述べた。

下院民主党弾劾チームを指揮したジェイミー・ラスキン下院議員は投票後の記者会見で、一緒に働いたチームのメンバーを賞賛した。

ジェイミー・ラスキン下院議員:
「大統領が議会、議員、市民、そして副大統領に対して暴力的な反乱を引き起こしたという事実を、議員の大多数が支持しました。今回の弾劾裁判はアメリカ史上最も超党派的な弾劾裁判でした」

2021年2月13日 AP通信/ワシントンD.C.議会議事堂、民主党のナンシー・ペロシ下院議長

民主党の敗北記者会見の後半、怒り心頭のナンシー・ペロシ下院議長が突然姿を現し、報道陣を唖然とさせた。

ペロシ下院議長は開口一番、「哀れなマコーネルは有罪に投票しなかった」と共和党のミッチ・マコーネル上院少数党首を嘲笑した。

ナンシー・ペロシ下院議長:
「下院民主党はこれ以上トランプを追求しない。臆病な共和党員に顔を覆う方法を教えてもらった。私たちは彼らと一緒に顔を覆うだろう」

一方、ペロシ下院議長に嘲笑されたマコーネル氏は投票後の記者会見でトランプ前大統領を厳しく非難し、報道陣を唖然とさせた

ミッチ・マコーネル上院少数党首:
「トランプ前大統領がその日の出来事を誘発したこと、道徳的責任があることは疑いの余地がない。自由な世界のリーダーが危険な組織に何週間も呼びかけ続け、彼らにトランプ前大統領は正しいと信じさせ、暴力を引き起こさせたことは驚きを禁じ得なかった」

「トランプ前大統領は合衆国大統領としてとった行動の責任(刑事責任)を問われる可能性がある」

在任期間中であれば有罪に投票したと思うが、合衆国憲法は元大統領の弾劾裁判を許可していない。私は憲法に従い反対に投票した」

マコーネル氏は在任期間中に弾劾裁判を行いたいと主張した下院民主党の要求を却下し、弾劾決議案の受け取りを拒否している。

2021年1月6日 AP通信/ワシントンD.C.演説するトランプ前大統領

下院民主党弾劾チームのラスキン氏は最終弁論で、「私の親愛なる同僚たち。トランプが大統領執務室に戻った時、彼が再び暴力を扇動しないと言い切れますか?もっと多くの警察官の命を賭けますか?家族の安全を賭けますか?民主主義の未来を賭けますか?」と述べた。

一方、反抗的なチームトランプの弁護団は、最後までとことん反抗的だった。

マイケル・ファン・デル・ヴィーン弁護士は、1月6日の暴動前のトランプ前大統領の演説はとても平和的なものだったと主張し、民主党は合衆国憲法修正第1条を無視することで、自らの宣誓(議員就任時の宣誓)までも無視したと述べた。

<合衆国憲法修正第1条>
・議会は国教の樹立を支援する法律の施行および、宗教の自由を禁じることはできない。また、 表現の自由、報道の自由、市民の平和的集会の権利、政府に苦情や救済などを請願する権利を制限することもできない。

またファン・デル・ヴィーン弁護士は、トランプ前大統領の言葉は民主党員やメディアも頻繁に使うものであり、それで暴動を扇動したと主張するのは誤りだと繰り返し主張した。

投票後、決定的な勝利を手にしたファン・デル・ヴィーン弁護士は記者団に対し、「私たちは皆、戦うという言葉を口にしますよね?その意味を知っていますよね?突然、戦うという言葉を禁止にしますか?偽善と偽りの裁判は時間だけを無駄にしました。民主党員は戦うという言葉を何度も口にしています。彼らも弾劾しますか?私は反対です」と笑顔で答えた。

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