ベネズエラ暫定大統領、最低賃金の引き上げ発表、月額240ドルへ
ロドリゲス氏は今回の引き上げについて、労働者の購買力回復に向けた「第一歩」と位置付け、抗議デモを展開する労働者の主張に理解を示した。
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ベネズエラのロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は4月30日、最低賃金を月額240ドル(約3万7500円)に引き上げる方針を発表した。急激なインフレと生活苦の中で続く労働者の抗議デモに対応する措置であり、年金も月70ドルに引き上げられる見通しである。
同国では法定最低賃金が長らく据え置かれ、実質的には数セント(数十円)相当という極めて低い水準にとどまってきた。一方で政府は各種ボーナス支給によって実質所得を補い、これまで月190ドル程度に達していたとされる。しかし、通貨ボリバルの下落や財政負担の増大により、その維持は困難になっていた。
ロドリゲス氏は今回の引き上げについて、労働者の購買力回復に向けた「第一歩」と位置付け、抗議デモを展開する労働者の主張に理解を示した。ただし、240ドルのうちどの程度が基本給で、どの程度がボーナスとして支給されるのかは明らかになっていない。
背景には深刻なインフレがある。2026年3月時点で年間インフレ率は約650%に達し、教育や医療など公共部門の労働者を中心に賃上げ要求が強まっている。警察がデモ行進を阻止する場面も見られるなど、社会的緊張が高まっていた。
また、2022年3月以降、基本給の大幅な見直しは行われておらず、今回の措置は約4年ぶりの本格的な賃上げとなる。公共部門の雇用者は300万人以上、年金受給者も約500万人に上るとされ、政策の影響は広範囲に及ぶ。
一方で、今回の引き上げが実際の生活改善につながるかは不透明である。急激な物価上昇や通貨価値の不安定さが続く中、賃上げがインフレをさらに加速させるリスクも指摘されている。また、ボーナス支出の増大は政府財政を圧迫するため、持続性への懸念も残る。
ロドリゲス氏は同時に、米国による制裁の解除を改めて求め、外国投資の拡大を通じた経済回復を目指す姿勢を示した。石油収入の増加など改善の兆しはあるものの、国民の生活水準は依然として厳しい状況にあり、今回の賃上げがどこまで社会の不満を和らげるかが注目される。
