ブラジル議会、ボルソナロ前大統領の刑期を短縮する法案可決
ボルソナロ氏は2022大統領選敗北後、政権転覆を図ったとして、2025年に27年の禁錮刑を言い渡された。
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ブラジル連邦議会は4月30日、クーデター未遂事件で有罪判決を受けボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の刑期(禁固27年)を短縮する可能性がある法案を賛成多数で可決した。これにより、実際の服役期間は大幅に短縮される見通しとなり、政治的・司法的な波紋が広がっている。
ボルソナロ氏は2022大統領選敗北後、政権転覆を図ったとして、2025年に27年の禁錮刑を言い渡された。判決では、民主主義秩序の破壊を狙った組織的な行動が認定され、2023年1月に首都ブラジリアで発生した議会襲撃事件との関連も指摘されている。同氏は25年11月から刑に服しているが、健康問題を理由に現在は自宅軟禁下に置かれている。
今回議会が可決した法案は、複数の罪状に対する刑期の計算方法を見直すもので、従来は連続して科されていた刑を同時進行とするなどの措置が含まれる。この結果、刑期は最大で約20年短縮される可能性がある。また仮釈放の条件も緩和され、従来は刑期の4分の1を経過する必要があったが、6分の1で日中外出などの緩和措置が認められる仕組みに変更される。
ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は1月、この法案に拒否権を行使して成立を阻止していた。ルラ氏はボルソナロ氏のクーデター関与には十分な証拠があり、刑の軽減は民主主義への攻撃に対する責任追及を損なうと主張していた。しかし、議会は大統領の拒否権を覆し、上下両院で可決に至った。
採決は今年10月に予定される大統領選挙を前にした政治的緊張の中で行われた。特にボルソナロ氏の長男であるフラヴィオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員がルラ氏の有力対抗馬となる中、今回の決定は選挙戦にも影響を及ぼすとみられている。野党勢力は司法の判断に対する政治的是正と位置付ける一方、与党や一部の法曹関係者は、法の支配の弱体化につながるとの懸念を示している。
さらに、この法案はボルソナロ氏個人にとどまらず、同様に民主主義秩序への犯罪で有罪となった他の関係者にも適用される可能性がある。そのため、2023年の暴動に関与した支持者らの刑期短縮にもつながるとみられ、社会的議論が一層激化している。
もっとも、この措置が最終的に確定するかは不透明である。最高裁判所が違憲審査や差し止めを行う可能性があり、司法と立法の対立が今後の焦点となる見通しだ。実際の服役期間についても明確ではなく、法的解釈や今後の判断に委ねられている。
今回の議会決定はブラジル政治の分断の深さを改めて浮き彫りにした。民主主義の擁護と政治的妥協の間で揺れる中、ボルソナロ事件は同国の統治のあり方を問う象徴的な問題として、今後も国内外の注目を集め続けることになる。
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