米テキサス州教育委員会、公立学校の必読リストに「聖書」を追加
新たなリストは州内の公立学校に通う500万人以上の生徒を対象とする。
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米南部テキサス州教育委員会は26日、公立学校で使用する必読教材に聖書の一節を盛り込む新たなリストを賛成9ー反対5で可決した。全米でも例のない取り組みとされ、保守派が進める教育現場へのキリスト教的価値観の反映をさらに推し進める動きとして注目を集めている。
新たなリストは州内の公立学校に通う500万人以上の生徒を対象とする。小学校から高校までの各学年に文学作品とともに聖書の一節が組み込まれ、小学5年生では「出エジプト記」の一部、中学では詩編、高校では創世記や哀歌、新約聖書の一節などが教材として扱われる。制度は2030年度から段階的に導入される予定である。
賛成派は米国の建国や法制度、文学、歴史を理解するうえでユダヤ・キリスト教の伝統は欠かせないと主張する。教育委員会の多数派である共和党系委員らは、聖書を宗教教育ではなく歴史や文化、文学を学ぶための重要な資料として位置付けており、児童・生徒の教養を深めることが目的だとしている。
一方、反対派からは公立学校で特定宗教の聖典を必読とすることは、政教分離を定めた米国憲法の理念に反するとの批判が相次いだ。教育関係者や宗教団体、市民団体は多様な宗教や文化的背景を持つ児童・生徒への配慮を欠いているほか、教材の選択権を学校や教員から奪うことにもつながると懸念を示している。また、読書リスト全体が白人男性作家やキリスト教関連の作品に偏っており、多様性に欠けるとの指摘も出ている。
テキサス州では近年、公立学校の宗教色を強める政策が相次いでいる。2024年に聖書を多く取り入れた小学校向け教材を承認し、2025年には教室への「十戒」の掲示を義務付ける州法も成立した。今回の必読リスト導入は、こうした流れを制度面でさらに拡大する措置と位置付けられている。教育の中立性と信教の自由を巡る議論は今後も続く見通しであり、全米の教育政策にも影響を与える可能性がある。
