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米サウスカロライナ州の麻しん流行終息、約1000人が感染

流行は2025年10月に州北西部で始まり、スパータンバーグ郡を中心に急速に拡大。2026年1月には1カ月で650人以上の感染が確認されるなど、過去数十年で最も急速な拡大を見せた。
麻しん(はしか)ワクチン(Getty Images/AFP通信)

南部サウスカロライナ州で発生していた麻しん(はしか)の集団感染が終息した。州当局は27日、新規感染が一定期間確認されなかったことから、公式に終息を宣言した。今回の流行は約6カ月にわたり続き、感染者は計997人に達し、近年最大規模の麻しん流行となった。

流行は2025年10月に州北西部で始まり、スパータンバーグ郡を中心に急速に拡大。2026年1月には1カ月で650人以上の感染が確認されるなど、過去数十年で最も急速な拡大を見せた。 感染者の大半はワクチン未接種者であり、子ども、とりわけ5歳から17歳の年齢層が多くを占めた。

麻しんは極めて感染力の強いウイルス性疾患で、空気感染により広がる。発熱や咳、発疹などの症状を引き起こし、重症化すれば肺炎や脳炎など致命的な合併症を伴うこともある。 今回の流行では少なくとも21人が入院し、学校や地域社会に大きな影響を与えた。

終息が宣言されたのは、最後の感染確認から42日間、新規患者が報告されなかったためである。これは麻しんの潜伏期間の2倍に相当し、感染連鎖が断たれたことを示す基準である。

流行拡大の背景にはワクチン接種率の低下があると専門家は指摘する。実際、今回の感染者の9割以上が未接種者であった。一方で、流行を受けて接種の動きが加速し、州全体で約8万2000回分のワクチンが投与され、前年比で3割以上増加した。 この対応が感染拡大の抑制に寄与したとみられている。

しかし、問題は州内にとどまらない。米国全体でも麻しんの感染は増加傾向にあり、2025年には2000件を超え、2026年もすでに多数の症例が報告されている。 2000年に達成した「排除状態」が揺らぐ可能性も指摘されており、公衆衛生上の懸念が強まっている。

今回の事例はワクチンによって予防可能な感染症であっても、接種率の低下により大規模流行が再び起こり得ることを示した。専門家は集団免疫を維持するためには高い接種率の継続が不可欠であると強調している。

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