◎トランプ大統領は1人2,000ドルの直接支払いを求めている。
◎民主党は修正指示を受け入れる。共和党は困惑、ミッチ・マコーネル上院院内総務はまだコメントを発表していない。
ロイター通信/トランプ大統領

COVID-19経済救済法案

COVID-19経済救済法案:9,000億ドル
2020年12月20日、上下両院の指導者が合意に達する

2020年12月21日、下院通過

2020年12月21日、上院通過

2020年12月22日、トランプ大統領、法案の修正を指示

・コロナ援助、救済、および経済安全保障法(CARES法):2.2兆ドル(230兆円)※2020年12月31日に失効
2019年7月下院通過

2020年3月25日上院通過

2020年3月27日下院、上院の修正に同意

2020年3月27日トランプ大統領署名

2020年12月21日 ロイター通信/ワシントンD.C.キャピトルヒル、ナンシー・ペロシ下院議長

12月22日、トランプ大統領は上下両院を通過したコロナ救済法案(第2弾)に署名しないと宣言した
(下院:賛成359-反対53 可決)
(上院:賛成92ー反対6 可決)

トランプ大統領はツイッターに投稿した動画の中で、「議会は9,000億ドルの刺激策を修正し、再提出しろ」と述べた。

また、1人600ドルの直接支払いを2,000ドルに修正し、「その他の無駄な予算をカットしろ」と指示した

ドナルド・トランプ大統領:
「適切な請求書を届けてください。そうしないと、次の政権が新たなコロナ救済を届けることになる」

「この救済法案は本当に恥ずべきものだ。議会はコロナウイルスの救済と呼んでいるが、コロナとはほとんど関係のない予算も含まれている」

まもなく退任するトランプ大統領は、上下両院で可決された同法案に署名すると伝えられていた。

トランプ大統領は動画の中で、「勤勉な納税者にわずか600ドルしか提供しないなどあり得ない。また、中小企業向けの資金も不足している」と指摘した。

ドナルド・トランプ大統領:
議会は外国人、ロビイストなどへの予算は確保したが、本当に救済を必要とする市民にはわずかな額の資金しか提供しない」

「コロナウイルスは中国のせいであって、市民のせいではない。私は議会にこの法案を修正し、途方もなく低い600ドルから2,000ドル、カップルの場合は4,000ドルに増やすよう求めている

民主党のナンシー・ペロシ下院議長は、「ついに、大統領は2,000ドルに同意した。民主党は今週、全会一致でこれを上院に持ち込む準備ができている。やってみよう!」とツイートした。

一方、同じく民主党のチャック・シューマー上院少数党首は、トランプ大統領に今すぐ署名するよう求めたという。

チャック・シューマー上院少数党首:
私たちは2,000ドルの直接支払いをするために何ヶ月も費やしたが、共和党に阻止された。市民は、今、助けを必要としている」

共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務はまだコメントを発表していない。

政府のコロナ予算は12月28日に失効する。

失効と同時に、失業保険を提供する「パンデミック救済失業補償」と、自営業者およびパートタイム労働者を支援する「パンデミック失業支援プログラム」は終了する。また、住まいからの強制退去を猶予する「立ち退きモラトリアム」も失効する。

2018年 Getty Images/ミッチ・マコーネル上院院内総務とナンシー・ペロシ下院議長

予算の内訳

救済法案の内訳(抜粋)は次の通り。なお、民主党が強く求めていた「州および地方政府への支援」はカットされた。

・大人と子供1人あたり最大600ドルの直接支払い
※トランプ大統領は1人2,000ドルの直接支払いを求めている

・中小企業への支援 ペイチェック保護プログラム(PPP):2840億ドル以上
※トランプ大統領、予算が不足していると指摘

・ライブ会場、独立した映画館、文化施設などへの支援:150億ドル

・失業手当:週300ドル

・立ち退きモラトリアム延長:250億ドル

・学校や大学などの教育機関への支援:820億ドル

・育児支援:100億ドル

・栄養支援プログラム:130億ドル

・リモート接続およびブロードバンドアクセス強化:70億ドル

・コロナウイルスワクチンの輸送費:80億ドル

・コロナウイルスワクチンの接種費用(市民への無料配布):200億ドル

・航空業界への支援:450億ドル
(空港に20億ドル、アムトラックに10億ドル、航空会社に160億ドル、その他)

・有給の病気休暇を提供する雇用主への支援:税額控除

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