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発酵食品ブーム、腸活に欠かせない存在、注意点も

腸内には数百種類、数十兆個ともいわれる細菌が生息し、食物の消化だけでなく、免疫機能や代謝、さらには精神状態にも影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになりつつある。
食事のイメージ(Getty Images)

ヨーグルトやキムチ、みそ、納豆、ザワークラウトなどの発酵食品が近年、あらためて注目を集めている。発酵は数千年前から世界各地で受け継がれてきた食品加工技術であり、もともとは食材を長期間保存するための知恵として発展した。しかし現在では、腸内環境を整える働きが期待されることから、「腸活」の中心的な食品として世界的な人気を集めている。

腸内には数百種類、数十兆個ともいわれる細菌が生息し、食物の消化だけでなく、免疫機能や代謝、さらには精神状態にも影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになりつつある。腸内細菌の多様性が保たれているほど健康状態が良好である可能性が高いとされ、食生活を通じて腸内環境を改善しようとする人が増えている。

米国では若年層で大腸がん患者が増加していることへの関心や、食物繊維を積極的に摂取する「ファイバーマキシング」と呼ばれる食習慣の広がりも、腸の健康への関心を高める要因となっている。

発酵とは、細菌や酵母などの微生物が食品中の糖やたんぱく質を分解し、新たな成分を生み出す過程を指す。この働きによって食品は保存性が高まるだけでなく、独特の風味や香りが生まれ、栄養素が体内で利用されやすい形へと変化する場合もある。乳酸菌などの有用な微生物を含む発酵食品は、腸内細菌の働きを助ける可能性があり、継続的な摂取によって腸内細菌の多様性が高まることや、体内の炎症反応が低下することを示した研究も報告されている。

ただし、専門家は「発酵食品なら何でも健康によい」と考えるのは早計だと指摘する。発酵食品には加熱処理によって生きた菌が失われているものや、糖分や塩分が多く含まれる加工食品もある。また、「プロバイオティクス入り」と表示された飲料やサプリメントでも、実際の効果は製品ごとに異なる。

重要なのは宣伝文句に左右されるのではなく、生きた菌を含むヨーグルトや発酵野菜、納豆、味噌などの伝統的な食品を、バランスの良い食事の中で継続的に取り入れることである。

さらに、発酵食品だけに頼るのではなく、腸内細菌の餌となる食物繊維を十分に摂取することも欠かせない。野菜や果物、豆類、全粒穀物などに含まれる食物繊維は善玉菌の増殖を助け、発酵食品との相乗効果が期待される。

専門家は乳製品由来と植物由来の発酵食品を組み合わせながら、1日2回程度を目安に継続して食べることを推奨している。食べ始めた当初は腹部の張りやガスが増える場合もあるが、多くは腸内環境が変化する過程で見られる一時的な反応とされる。一方、免疫機能が低下している人や重い消化器疾患のある人は、食事内容を大きく変える前に医師へ相談することが望ましい。

発酵食品は日本でも古くから食文化に根付いており、みそ、しょうゆ、納豆、漬物、日本酒など、日常の食卓には多くの発酵食品が並ぶ。こうした伝統食は保存技術として発展しただけでなく、現代では健康維持に役立つ食品として再評価されている。もっとも、腸内細菌の働きには個人差が大きく、「万能の食品」は存在しない。

現在も研究は進められているが、専門家は発酵食品を健康的な食生活の一部として取り入れ、野菜や果物、十分な睡眠や運動を含めた生活習慣全体を見直すことが、腸の健康を維持する最も確実な方法であるとしている。

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