ハイチギャングリーダー、米国人宣教師誘拐事件で有罪評決
▽400マオゾは21年10月、ハイチの首都ポルトープランス近郊で米キリスト教援助団体の米国人16人とカナダ人1人を誘拐した。
.jpg)
中米ハイチの悪名高いギャング「400マオゾ」のリーダーであるジャミン・ジョリー(Germine Joly)が17日、米コロンビア特別区の連邦裁判所で有罪評決を受けた。
400マオゾは21年10月、ハイチの首都ポルトープランス近郊で米キリスト教援助団体の米国人16人とカナダ人1人を誘拐した。
ジョリーはこの時服役していたが、携帯電話を使って400マウゾの構成員や親族と連絡を取り、誘拐を主導したとされる。
400マオゾは当初、人質1人につき100万ドルの身代金を要求。団体は最終的に35万ドルを支払い、17人は無事解放された。
現地メディアによると、ジョリーは誘拐事件への関与を否定。陪審員は誘拐を主導したという検察の主張を支持し、ジョリーに有罪評決を言い渡した。
ジョリーは米国の輸出法に違反してハイチに銃器を密輸した銃器密売と、人質被害者のために支払われた身代金から得た資金を洗浄した罪を認め、昨年6月に禁固35年の実刑判決を言い渡された。
ジョリーは23年に米国に送還された。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
一連の暴力とギャング間抗争により100万人以上が住居を失い、その多くが避難所に身を寄せている。
地元メディアによると、400マオゾはヴィヴ・アンサムに吸収されたとみられる。400マオゾは集団誘拐で特に悪名高い。
米国務省は今月初め、ヴィヴ・アンサムとグラン・グリフを「外国テロ組織」および「国際テロリスト」に指定した。