◎トランプ氏はホワイトハウスから持ち出した機密文書をマーアーラゴの便所を含むシャワールームなどに隠し、書類を返還するよう求めた司法省の要請を無視した。
2023年6月9日に米司法省が公開した写真、トランプ氏の邸宅「マーアーラゴ」のシャワールームに保管された機密文書(米司法省/AP通信)

米司法省が9日、トランプ(Donald Trump)前大統領の起訴状を公表した。

それによると、トランプ氏は核兵器に関する機密文書や国防総省の軍事作戦に関連する機密マップなどをフロリダ州の邸宅「マーアーラゴ」に保管していたという。

トランプ氏は押収された機密文書の取り扱いをめぐり、37件の重罪に問われることになる。

起訴状によると、トランプ氏はホワイトハウスから持ち出した機密文書をマーアーラゴの便所を含むシャワールームなどに隠し、書類を返還するよう求めた司法省の要請を無視したという。

また起訴状はトランプ氏の弁護士の1人が「トランプ氏は誰にも箱の中を探されたくない」と証言したとしている。

トランプ氏は弁護士に「ここ(マーアーラゴ)には何もないと言えばいいのか」と尋ねたとされる。

この事件を担当する司法省のスミス(Jack Smith)特別検察官は9日、初めて公の場で発言した。「国防情報を保護する法律は米国の安全・安心に不可欠であり、必ず履行されなければならない。これらの法律に違反することは我が国を危険にさらすことになる...」

37の罪のうち31件は国防情報に関連するもの。残りは陰謀、妨害、虚偽記載の疑いに関するもので、これらで有罪が確定すれば、数年の実刑を言い渡される可能性がある。

トランプ氏はフロリダ州マイアミの連邦地裁に13日に出廷し、初公判を迎える予定だ。

トランプ氏の側近であり、機密文書を便所などに運び込み、捜査当局に嘘をついたとされるナウタ(Walt Nauta)氏も6件の罪で起訴された。

来年の大統領選で再選を目指すトランプ氏はNYですでに起訴され、ワシントンD.C.やアトランタでも刑事告発に直面している。

AP通信は専門家の話しとして、「トランプ案件で最も厳しいものはマーアーラゴにおける機密文書保管であり、連邦検察は来るべき時が来たと思っているのだろう」と伝えている。

一方、トランプ陣営も複数の問題が捜査対象になっていることを認識して以来、告発された時に備えて準備を進めてきたとみられる。

検察は機密文書に含まれる国防・外交関連の情報について、「それらが無許可で開示されると米国の国家安全保障、外交、米兵の命、資源、機密情報収集手段が危険にさらされる」と主張している。

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