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米司法省、パナマウントのワーナー買収計画を承認

司法省は8カ月にわたる審査の結果、この取引が動画配信、テレビ放送、映画制作などの市場において競争を著しく阻害する可能性は低いと判断した。
ワーナーとパラマウントのロゴ(Getty Images)

司法省(DOJ)は12日、パラマウント・スカイダンスによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収計画について、反トラスト法上の問題はないとして承認した。買収総額は約1110億ドル(約17.7兆円)に上り、近年のエンターテインメント業界における最大規模の統合案件となる。

司法省は8カ月にわたる審査の結果、この取引が動画配信、テレビ放送、映画制作などの市場において競争を著しく阻害する可能性は低いと判断した。審査では200万件を超える文書が検討され、最終的に条件を付さずに承認する決定が下された。

この統合が実現すれば、パラマウント・ピクチャーズ、CBS、ワーナー・ブラザース、HBO、CNNなど、米国を代表する映像・報道ブランドが同一グループの傘下に入る。新会社はスカイダンス創業者のエリソン(David Ellison)氏が率いる見通しで、世界的なメディア・エンターテインメント企業としての競争力強化を目指す。

買収計画は2026年2月、パラマウントがWBDに対して1株当たり31ドルの現金買収を提案したことで本格化した。当時は動画配信大手ネットフリックスも買収を検討していたが、最終的にWBD取締役会はパラマウント案を優先し、ネットフリックスは入札競争から撤退した。4月にはWBD株主も買収案を承認している。

一方で、この大型再編に対する懸念も根強い。業界団体や労働組合、映画関係者らは、統合によって制作本数の削減や人員整理が進み、コンテンツの多様性が損なわれる可能性を指摘していた。連邦議会の一部議員やカリフォルニア州当局も、雇用や競争環境への影響を精査するよう求めてきた。複数の州は法的措置を検討していると報じられている。

さらに、買収計画は米国外でも審査が続いている。英国競争・市場庁(CMA)は正式な審査手続きに入り、欧州連合(EU)も競争政策および外国補助金規則の観点から調査を進めている。今後、資産売却や事業運営に関する条件が求められる可能性もある。

それでもDOJの承認によって最大の障壁の一つは取り除かれた。世界で動画配信競争が激化する中、ハリウッドを代表する二大メディアグループの統合は業界の勢力図を大きく塗り替える転換点となりそうだ。両社は2026年後半までの取引完了を目指している。

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