ハイチ武装ギャングが国家安全保障会議の調整官を拉致
地元当局によると、調整官は首都中心部の地区を車で移動中、武装した男たちに襲撃された。
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カリブ海の島国ハイチの首都ポルトープランスで13日、政府の治安対策を担う高官が武装集団に拉致される事件が発生した。誘拐されたのは国家安全保障会議(CNS)の調整官で、深刻化するギャング暴力が政府中枢にまで及んでいる実態を浮き彫りにした。事件を受け、暫定政権や治安当局は捜索と救出に全力を挙げる方針を示している。
地元当局によると、調整官は首都中心部の地区を車で移動中、武装した男たちに襲撃された。武装集団は車を停止させた後、調整官を連れ去ったとみられる。犯行現場周辺は複数の武装ギャングが勢力争いを繰り広げる危険地域として知られており、警察による統制が及んでいない。
この調整官は警察や政府機関との連携を担当していた。治安対策に関する政府の会議にも出席し、こうした高官が誘拐されるのは極めて異例である。ハイチでは一般市民や企業関係者、医師、宗教関係者などが身代金目的で拉致される事件が頻発しているものの、政府の治安責任者クラスが標的となるケースは多くない。
事件後、暫定政権は強い懸念を表明。誘拐を非難し、関係機関が連携して早期救出に取り組んでいると表明した。一方で、犯行グループの特定や身代金要求の有無などについては明らかにしていない。
ハイチでは近年、ギャング暴力が激化し、首都の大部分が武装ギャングの支配下にある。国連によると、ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下にあり、殺人、誘拐、略奪、性的暴力が常態化している。警察は人員や装備の不足に直面し、治安維持能力の低下が深刻な問題となっている。
こうした状況を受け、昨年からはケニア主導の多国籍部隊が展開し、警察支援やギャング掃討作戦を進めている。しかし、ギャングの活動は依然として活発で、首都周辺では襲撃や道路封鎖が相次いでいる。住民の多くは暴力から逃れるため避難生活を余儀なくされ、人道危機も深刻化している。
今回の高官誘拐は政府機関そのものが犯罪組織の脅威にさらされている現状を象徴する出来事となった。治安回復を目指す政府や国際社会にとって大きな打撃となる可能性があり、調整官の安否とともに、ハイチの治安情勢の今後に国際的な注目が集まっている。
