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ペルー警察、W杯公式マスコットに変装して麻薬密売人を逮捕

ペルー警察は近年、このような変装作戦で国際的な注目を集めている。
2026年6月11日/メキシコ、グアダラハラのスタジアム、FIFAワールドカップの公式マスコット(AFP通信)

南米ペルーの首都リマで13日、警察官がFIFAワールドカップ(W杯)の公式マスコットに変装して麻薬密売容疑者を逮捕した。サッカー熱が高まる中、容疑者が熱狂的なサッカーファンであることを利用した作戦で、地元では警察の独創的な捜査手法として大きな話題を呼んでいる。

捜査を実施したのはペルー国家警察の麻薬対策部隊「グルポ・テルナ(グリーン戦隊)」で、警察官2人がW杯の公式マスコットである米国代表のワシ「クラッチ」とカナダ代表のヘラジカ「メイプル」の着ぐるみを身にまとい、リマ市内の住宅街にある容疑者宅へ接近した。容疑者はサッカー好きとして知られており、W杯開幕による熱狂の中でマスコットの存在を不自然に感じなかったとみられる。

地元メディアや警察が公開した映像では、マスコット姿の警察官が住宅前に現れた後、他の捜査員とともに門を突破し、室内へ突入する様子が映っている。捜査員たちはその場で男を拘束し、家宅捜索を実施した。警察によると、コカインやマリフアナ、拳銃、弾薬などを押収したという。

作戦の責任者は地元テレビ局の取材に対し、「対象者がW杯に夢中になっていることを事前の情報収集で把握していた。そのため、捜査員をマスコットに変装させることで警戒心を抱かせず接近することができた」と説明した。警察は長期間にわたる内偵捜査を通じて容疑者の行動を監視し、今回の作戦によって証拠品の確保にも成功したとしている。

ペルー警察は近年、このような変装作戦で国際的な注目を集めている。2025年には警察官がカピバラの着ぐるみ姿で麻薬容疑者を逮捕したほか、過去にはスパイダーマンやキャプテン・アメリカなどのスーパーヒーローに扮して麻薬組織の摘発を行った事例もある。こうした手法は祝祭日やイベントに合わせて自然に容疑者へ接近できる利点があるという。

一方で、こうした演出を伴う捜査については賛否もある。市民の間では「犯罪対策として効果的だ」と評価する声がある一方、「警察活動の娯楽化につながる」との指摘も出ている。しかし当局は、麻薬組織の摘発という成果を重視し、今後も状況に応じて創意工夫を取り入れた捜査を続ける方針を示している。

ペルーは世界有数のコカ栽培地域を抱え、麻薬取引との闘いが長年の課題となっている。今回の「W杯マスコット作戦」はその取り締まりの最前線で生まれたユニークな事例として国内外の注目を集めており、サッカーの祭典に沸く世界で異色のニュースとして報じられている。

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