◎ジャスティン・トルドー首相は15日にメアリー・サイモン総督と会談し、その後の記者会見で総選挙は9月20日に行われると明らかにした。
8月15日、カナダのジャスティン・トルドー首相は9月20日に総選挙（連邦選挙）を行うと発表した。
トルドー首相は15日にメアリー・サイモン総督と会談し、その後の記者会見で総選挙は9月20日に行われると明らかにした。
＜英連邦カナダの体制＞
君主：エリザベス2世
総督：メアリー・サイモン
首相：ジャスティン・トルドー
首相は総督に議会の解散を要請し、承認されれば総選挙に移行する。現政権の任期は2023年10月だったが、トルドー首相は早期の解散総選挙を決断した。
カナダのコロナワクチン接種キャンペーンは大成功を収めており、少なくとも1回接種した人は8月15日時点で12歳以上の人口の約82％、接種を終えた人は71％を超えた。
リベラルなトルドー政権はパンデミックとロックダウンから経済を保護するために数十億ドルを費やし、リベラル勢力から多くの支持を集めている。
トルドー首相は演説の中で、「カナダ人はコロナウイルスとの戦いをどのように終わらせるかを選択しなければならない」と語った。「私たちは国民の生活に寄り添った政治を行ってきました。来月、私は皆さんの声を聞きます。皆さんの意見を聞く時が来ました！」
トルドー首相のカナダ自由党は2019年の総選挙で過半数を失い、法案の可決には反対派の支持が必要不可欠になった。
＜2019年のカナダ連邦選挙：定数338＞
カナダ自由党 157議席（中道～中道左派）
カナダ保守党 121議席（保守）
ブロック・ケベコワ 32議席（中道左派）
新民主党 24議席（中道左派）
緑の党 3議席
カナダの現在のコロナウイルス感染状況はデルタ株の影響で増加傾向にあり、トルドー首相はこの第4波を「ワクチン未接種者の波」と呼んだ。
トルドー首相の人気は2015年11月の就任当時に比べるとかなり低下したが、国民は政府のコロナワクチンキャンペーンを成功と見なしており、支持率は上昇傾向にあると伝えられている。
トロント大学の歴史学教授であるロバート・ボスウェル氏は、「リベラル派にかつての勢いはないが、この時期の選挙はリベラル派に良い結果をもたらす可能性が高い」と指摘した。「トルドー首相にかつての人気はありません。リベラル派は目新しさを失ったトルドー首相への興味を失いつつありました。しかし、トルドー首相のコロナウイルス対策はかなり堅調でした。今選挙を行えば、彼は支持を集めるでしょう」
2015年の連邦選挙で過半数を獲得したトルドー首相はカナダ史上2番目の若さで首相に就任し、カナダ保守党は約10年ぶりに政権を失った。
野党新民主党のジャグメート・シン党首は15日、「トルドー首相はコロナ禍にもかかわらず突然議会を解散した」と述べ、決定を「利己的」と非難した。最大都市オンタリオ州の新規症例は4日連続で500件を超えた。
最大野党カナダ保守党のエリン・オウトゥール党首は記者の「ワクチンを接種するのか？」という質問を無視し、「コロナウイルス問題を利用してカナダを分断しようとするトルドーの決定に失望した」と述べた。
トロント大学の政治学教授であるネルソン・ワイズマン氏は15日、「ロックダウンを再び発出すれば、カナダ自由党の支持率に悪い影響が出るだろう」と述べた。
また、「多くのカナダ人が不必要と思われる選挙に憤慨する」と指摘したが、自由党は多くの票を集めるだろうと述べた。「トルドー首相のワクチン展開は成功と見なされており、経済の低迷に対応する雇用支援プログラムも多くの支持を集めました。カナダ人は自分たちの置かれている状況をアメリカと比較します。アメリカの感染急拡大はカナダ人の自己満足の一因になっています。この感覚は間違いなく自由党に利益をもたらすでしょう」
