◎コネティカット州、ジョージア州、メリーランド州などは独自の法令でガソリン税の徴収を一時停止している。
2022年6月20日/デラウェア州のビーチ、市民と雑談するバイデン大統領(Manuel Balce Ceneta/AP通信)

米国のバイデン大統領は20日、ガソリン税の一時停止または引き下げを検討していると明らかにした。

米国自動車協会(AAA)によると、全米のガソリン小売価格は20日午後の時点で1ガロン平均4.98ドルを維持している。

▽レギュラー1ガロン4.98ドル(リッター178円)※1ドル135円で計算

バイデン氏はデラウェア州のビーチを散歩した後、記者団に「検討している」と語った。「今週末までに何かしらの結果が出ることを望んでいます...」

全米の燃料価格はロシア・ウクライナ戦争開戦以来、記録的な勢いで高騰し、国民の生活を圧迫している。一部の政治家と専門家はサウジアラビアを含む石油輸出国と企業が利益を押し上げるために高値を維持していると批判している。

バイデン氏もそのひとりであり、政権のメンバーは今週、いくつかの石油会社幹部と会合を開く予定である。

バイデン氏は記者団に、「なぜもっと石油を精製しないのか、彼らに説明をお願いしたい」と語った。

世論調査会社イプソスが今年4月に公表した世論調査によると、回答者の半数が燃料価格の高騰が経済的苦境をもたらしていると回答した。

また回答者の大多数がロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領と主要な石油輸出国・企業を高騰の原因としている。

AP通信は政府高官の発言を引用し、「バイデン大統領はエタノール混合ガソリンの精製体制を強化し、(米国の)戦略的備蓄の放出を加速させ、石油企業に精製能力を高めるよう促した」と報じている。

バイデン氏はサウジアラビアなどの湾岸諸国にも増産を呼びかけ、OPEC(石油輸出国機構)は今月上旬に増産を発表した。

しかし、燃料価格は世界中で高値を維持している。バイデン氏が提案を実行に移せば、道路の建設やメンテナンスに充てられるガソリン税は一時的に停止または引き下げられ、燃料価格をある程度押し下げるだろう。

コネティカット州、ジョージア州、メリーランド州などは独自の法令でガソリン税の徴収を一時停止している。

AP通信によると、さらに20の州が同様の措置を検討しているという。イエレン(Janet Yellen)財務長官もガソリン税の一時停止に前向きであると示唆した。

FRB(連邦準備制度理事会)は先週、金利を0.75ポイント引き上げ、近い将来さらなる利上げを実施すると示唆した。

バイデン氏は不況に陥る可能性を認めつつも、「防ぐことはできる」と主張している。

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