米オバマケアの加入者数500万人減少、政府の保険料補助終了で
ACAの加入者数は前年の約2230万人から約1750万人へ減少し、500万人近くが保険を失う可能性がある。
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米国の医療保険制度「オバマケア(Affordable Care Act=ACA)」の加入者数が、2026年に大幅に減少する見通しとなった。医療政策を調査する非営利団体KFFの分析によると、ACAの加入者数は前年の約2230万人から約1750万人へ減少し、500万人近くが保険を失う可能性があるという。これは全体の2割超に相当する大幅な落ち込みであり、医療費高騰が米国の家計を直撃している現状を浮き彫りにした。
背景には、コロナ禍で導入された保険料補助の終了がある。これまで多くの加入者は政府補助によって比較的安価に医療保険へ加入できていたが、2026年1月に補助制度が失効したことで自己負担額が急増した。KFFによると、加入者の平均月額保険料は65ドル上昇し、自己負担額(免責額)は平均で1000ドル以上増加した。特に中間所得層への打撃が大きく、低所得者向け補助の対象外でありながら、保険料上昇に耐えられない世帯が相次いでいる。
ACAは本来、企業保険に加入できない個人事業主や非正規労働者らの医療保障を支える制度として機能してきた。しかし保険料の急騰により、多くの加入者がより安価なプランへ移行した結果、保障内容は縮小し、高額な医療費リスクを抱えるケースが増えている。中には月々の保険料支払いが困難となり、年度途中で保険を解約する人も少なくない。
また、州独自の保険市場を運営する州では比較的加入者減少が抑えられた一方、連邦市場依存州では大幅な減少が確認された。トランプ政権は不正加入対策の強化が加入減少の一因だと説明しているが、専門家の間では「最大の要因は価格上昇」との見方が支配的である。
さらに、保険市場の縮小は保険会社側にも影響を及ぼしている。加入者減少によって健康な若年層が市場から離脱すると、医療費負担の大きい加入者比率が高まり、保険会社はさらなる保険料引き上げを迫られる。実際、大手保険会社シグナは2027年にACA市場から撤退する方針を示しており、市場の不安定化が懸念されている。
医療費負担の増大は、11月の中間選挙でも重要争点になる見通しだ。民主党は補助制度終了による無保険者増加を批判し、共和党は制度そのものの持続可能性を問題視している。オバマケアは成立から10数年を経た現在も、依然として米国政治を揺るがす中心課題であり続けている。
