SHARE:

ウクライナ軍、ロシア中部の製油所を攻撃、13人死亡、78人負傷

ウクライナ軍はニジネカムスクの石油精製所を攻撃し、火災を発生させたと明らかにした。
2026年8月10日/ウクライナ、南部ザポリージャ州、ロシアの滑空爆弾攻撃を受けた地区(AP通信)

ウクライナ軍は10日、ロシア中部タタルスタン共和国のニジネカムスクにある石油関連施設をドローンで攻撃した。地元当局によると、この攻撃で13人が死亡、78人が負傷した。ロシア国内でのウクライナによる攻撃としては、近年でも特に死者が多いものとなった。ウクライナ国境から約1200キロ離れた地域への攻撃であり、ウクライナが長距離ドローンを使ってロシア奥深くの重要施設を狙う能力を拡大させていることを示すものとなった。

ウクライナ軍はニジネカムスクの石油精製所を攻撃し、火災を発生させたと明らかにした。一方、ロシア側はドローン攻撃そのものを認めたものの、標的については明らかにしていない。ニジネカムスクには2カ所の製油所と石油化学工場があり、ロシアのエネルギー産業にとって重要な地域となっている。

今回の攻撃では、ドローン1機が宿泊施設に命中し、13人の死者のうち9人がそこで死亡した。犠牲者にはウズベキスタンとキルギスの国民が含まれ、ウズベキスタンは自国民7人が死亡したと発表した。

ウクライナによるロシアの石油関連施設への攻撃はこの数カ月、ほぼ毎日行われている。長距離ドローンによる攻撃はロシアの精製能力を低下させ、燃料不足を引き起こすなど、国内経済や市民生活にも影響を及ぼしている。ウクライナ軍はロシアの戦争遂行能力を弱めるため、燃料などの供給網を狙う作戦を強化してきた。

さらに同日、シベリア西部のチュメニ州でもウクライナのドローン攻撃があり、工業施設で火災が発生した。ウクライナ軍は石油化学施設の一部を損傷させたと発表している。同施設ではロケット燃料の原料や航空燃料、ドローン用複合材料、高オクタン価ガソリンなどが生産されている。

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はロシアに戦争の負担を感じさせ、和平交渉の席に着かせることが狙いだとしている。ウクライナが開発した長距離ドローンは国境から約2000キロ離れたシベリアにも到達した。ロシアは一連の攻撃を非難し、外国政府や国際機関にウクライナへの非難を求めている。

一方、ロシアもミサイルやドローン、滑空爆弾などを使ってウクライナ各地への攻撃を続けている。国連によると、2026年上半期にはウクライナで1396人の民間人が死亡、7978人が負傷した。戦争が長期化する中、双方による長距離攻撃の拡大は前線から遠く離れた地域の民間人や重要インフラをも戦闘の脅威にさらす状況を生み出している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします