◎ベルゴロド州政府はウクライナ国境に近い集落が砲撃を受け、一連の戦闘でウクライナの工作員約70人を殺害したと主張している。
2023年5月23日/ウクライナ、東部ドネツク州の前線、兵士を激励するゼレンスキー大統領(Ukrainian Presidential Press Office/AP通信)

米国務省は23日、ロシア当局が同国南西部ベルゴロド州にウクライナの破壊工作部隊が侵入し戦闘が発生したと主張したことについて、米政府は一切関与していないと表明した。

ロシア国防省はウクライナ領から攻め込んできたテロリストを一掃したと主張している。

ベルゴロド州はウクライナと国境を接し、ロシアの侵略以来、何度も攻撃にさらされてきた。

ロシア軍はその後、米国製の軍用車両ハンビーなど、ベルゴロド州に放置されたとみられる西側の装甲車のように見える写真を公開した。

米国務省の報道官は記者会見で、「米国はロシアに対する攻撃を奨励せず、承認もしていない」と強調した。

また報道官はソーシャルメディアでベルゴロド州の写真が拡散したことについて、「米国はSNSを含むこれらの報道に懐疑的である」と述べた。「この戦争の戦い方を決めるのはウクライナ政府です...」

ベルゴロド州政府はウクライナ国境に近い集落が砲撃を受け、一連の戦闘でウクライナの工作員約70人を殺害したと主張している。

しかし、ウクライナ政府はロシアの主張を否定し、プーチン政権に反対する2つの準軍事組織が攻撃に関与したという見方を示した。

ロシアの反政権組織「自由ロシア軍団」が22日に犯行声明を出したものの、事実か否かは不明である。

ロシア大統領府はこの攻撃を受け対テロ非常事態を宣言。地方自治体にテロ組織およびそれに関与した者を取り締まる特別な権限を付与した。

この措置は22日に解除されたものの、攻撃に関与したとされる自由ロシア軍団はSNSに声明を投稿し、「我々は祖国の一部地域をまだ支配している」と主張した。

ベルゴロド州政府はこの攻撃で民間人1人が死亡、数人が負傷したと報告している。

23日夕方には同州の市街地でドローンとみられる飛行体から爆発物が投下されたようだ。州政府は声明で、「この飛行体によるドローン攻撃で車が破損したが、死傷者は確認されておらず、ドローンは撃墜した」と述べている。

AP通信によると、ベルゴロド州にある連邦保安庁(FSB)の建物も被害を受けという。被害の程度は明らかになっていない。

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