◎ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は23日、ロシア正規軍が同社部隊の拠点を攻撃し、膨大な数の隊員が死亡したと主張。報復を宣言した。
2023年6月24日/ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏(Prigozhin Press Service/AP通信)

ウクライナ軍参謀本部は24日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏がプーチン政権に反旗を翻したことについて、「ウクライナはこの混乱からどのように利益を得るか、戦略的に判断し、慎重に決断を下さなければならない」と表明した。

同軍参謀本部のロマネンコ(Ihor Romanenko)中将はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューで、「この混乱に乗じて、ウクライナ東部・南部の全長1000kmにわたる巨大なロシア軍の防衛施設を迂回し、ロシア西部に入る可能性もないとは言えない」と語った。

ロマネンコ氏は「異例の決断を下し、それを実行に移す者は成功する」と強調。ドネツク州などの東部地域に展開するロシア軍を背後(ロシア領内)から攻撃する時が来たと述べた。

このような計画はつい先日まで「おとぎ話」のように聞こえたが、ワグネルの大隊がウクライナの前線を離れ、首都モスクワに向かうかもしれないという情報が世界を駆け巡ると、一気に現実味を帯びた。

ワグネルはロシア正規軍に代わってウクライナ軍と激戦を繰り広げてきた。

その部隊が前線から撤退すれば、ウクライナ軍は隙をついてロシア西部に入り、ドネツク州を実行支配する正規軍や反政府勢力の背後に回ることができるかもしれない。

プリゴジン氏は23日、ロシア正規軍が同社部隊の拠点を攻撃し、膨大な数の隊員が死亡したと主張。報復を宣言した。

プーチン(Vladimir Putin)大統領はこれをテロと呼び、「反乱を企てた者は裁きを受ける」と言明。プリゴジン氏に投降するよう呼びかけた。モスクワは対テロ非常事態宣言下に置かれている。

ロマネンコ氏はワグネルの反乱について、「ロシア国内における混乱はウクライナに予想外の機会を与えるかもしれない」と語った。

しかし、ロマネンコ氏はこう付け加えた。「ウクライナを支援する西側諸国はロシアの核使用を避けるため、ウクライナにそのような決断を下さないよう介入してくるでしょう...」

「我々の同盟国はエスカレートや大量破壊兵器の使用を避けるために、危険な決定は下さないよう圧力をかけ、何らかの影響を与えようとするでしょう...」

プリゴジン氏は24日、モスクワへの「行進」を中止すると表明したが、事実か否かは不明である。モスクワは厳戒態勢を維持している。

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