◎ロシア軍はウクライナに4500発以上のミサイルを撃ち込み、その多くが黒海艦隊から発射された。
2022年11月11日/ウクライナ、首都キーウ、南部ヘルソン市の奪還を祝う人々(Bernat Armangue/AP通信)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は11日、黒海に展開したロシア海軍の艦隊から都市を守る資金調達キャンペーンへの支援を改めて呼びかけた。

ゼレンスキー氏は無人偵察機(ドローン)の大隊を構築するためのクラウドファンディング「UNITED24」を7月に立ち上げ、募金を呼び掛けていた。

ウクライナ大統領府によると、UNITED24の目標はドローン100機の購入。1機当たりの費用は1000万フリヴニャ(約3800万円)と見積もられている。

ロシア軍はウクライナに4500発以上のミサイルを撃ち込み、その多くが黒海艦隊から発射された。

ゼレンスキー氏はテレグラムに、「我々はロシアの黒海艦隊が発射するミサイルから都市と海域を守らなければならない」と書き込み、UNITED24への寄付を呼びかけた。

またゼレンスキー氏は国連とトルコが仲介した穀物輸出合意に言及し、「このドローン部隊は世界が必要としている穀物輸出の人道回廊の保護にも役立つ」と説明した。

ロシアは侵攻開始以来、黒海やクリミア半島に配備している艦隊などからウクライナにミサイルを発射し続けてきた。

またロシアはイラン製のカミカゼドローンなどを使ってウクライナ全土のエネルギーインフラを攻撃している。

ロシア軍は2月の侵攻開始後すぐに黒海の港を封鎖し、食料輸送を妨害した。国連仲介の穀物輸出合意はロシアが延長を認めなければ、今月19日に失効する。

ロシアは先月末、ウクライナ軍が黒海艦隊3隻にドローン攻撃を仕掛けたと主張し、穀物輸出を一時停止した。

ゼレンスキー氏はUNITED24を「ウクライナの防衛に必要不可欠」と評し、多くの支援が集まると確信していると書いている。

ウクライナはロシアが主張した10月のドローン攻撃に関する声明を出しておらず、肯定も否定もしていない。

しかし、UNITED24はウェブサイトに掲載した声明でこの攻撃に言及している。「ロシア海軍は優位性を失っている」

一方、ウクライナ軍は12日、南部ヘルソン州の州都ヘルソン市に自軍の部隊が入ったと報告。ロシア軍は同市に配備していた部隊をドニエプル川東岸に撤退させたと主張した。

ウクライナ公共放送によると、ドニエプル川東岸に続く唯一の橋、「アントノフスキー橋」が崩落したという。ロシア軍が撤退後に爆破したとみられるが、詳細は不明。

キーウではヘルソン奪還を祝う集会が開かれ、数百人が参加した。報道によると、多くの市民がワインなどを持ち寄り、乾杯したという。

2022年11月11日/ウクライナ、南部ヘルソン州のヘルソン市、ウクライナ兵(Dagaz/AP通信)
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