◎ロシア軍は兵器不足を補うために同盟国イランの通称「カミカゼドローン」を使ってウクライナの市街地を攻撃している。
2023年3月24日/ウクライナ、東部ハルキウ州、ロシア軍のロケット弾(Vadim Belikov/AP通信)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は28日、ロシア軍による首都キーウへの最大規模のドローン攻撃を受け、自国の防空部隊を称賛した。

ウクライナ軍参謀本部はロシアが発射したイラン製自爆ドローンの大半を撃墜したとしている。

当局によると、撃墜したドローンの破片によって民間人2人が死亡、数人が負傷した。

ゼレンスキー氏は防空部隊を英雄と呼び、ロシア軍のミサイル・ドローン攻撃の効果は低下しつつあると示唆した。

ロシアはこの数週間、キーウへの攻撃を強化し、西側が供与した防衛システムを圧倒しようとしている。

キーウへの夜間攻撃は今月14回目。市民は28日の建都記念日を祝う準備をしていた。

キーウのクリチコ(Vitaliy Klitschko)市長は声明で、「ドローンがいくつかの方向から飛来した」と報告。タバコ工場を含むいくつかの建物に撃墜したドローンの破片が落下し、火災が発生したと明らかにした。

ウクライナ空軍はドローン54機のうち52機を撃墜したと発表。キーウ上空に飛来した数は明らかにしていない。

北西部ジトーミルでは住宅少なくとも26戸、学校、医療機関も被害を受けたと伝えられている。

参謀本部は28日遅くの声明で、「空軍はロシアが発射したイラン製自爆ドローン59機のうち58機を撃墜した」とし、空軍の発表を一部訂正した。

ゼレンスキー氏はビデオ演説で空軍を称賛し、多くの人命が救われたと指摘した。「敵の無人機やミサイルを撃墜するたびに、人命が救われます。多くのテロ攻撃を阻止した関係者全員に感謝します...」

キーウ在住の女性はAP通信の取材に対し、「ドローンの音で目が覚めた」と語った。

ロシア軍は兵器不足を補うために同盟国イランの通称「カミカゼドローン」を使ってウクライナの市街地を攻撃している。

米シンクタンク戦争研究所はキーウへの攻撃が続いていることについて、「比較的安価な兵器で西側が供与した防空システムを枯渇させようとしている」と指摘している。

一方、ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ(Oleksiy Danilov)書記は今週、反攻作戦の準備が整ったと示唆した。

ダニロフ氏は英BBCのインタビューで、「反攻はまだ始まっていないが、明日、明後日、あるいは1週間以内に始まる可能性がある」と述べた。

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