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スペイン・セウタ移民危機、1万人が宙ぶらりん状態、対応急ぐ政府

セウタ市当局は食料配給の実績などを基に、残っている移民は9000~1万人に達する可能性があり、そのうち約2000人が未成年だと推計している。
2026年8月20日/アフリカ北部・スペイン領セウタのビーチ、キャンプを離れる移民たち(AP通信)

アフリカ北部・モロッコに隣接するスペイン領セウタで、7月末に起きた大規模な移民流入から約3週間が経過した後も、数千人の移民が行き場を失った状態で滞留している。7月末には7万2000人以上がモロッコからセウタへ押し寄せ、少なくとも90人が死亡する事態となった。多くは滞在の困難さや本土への移送の可能性が低いことを知ってモロッコに戻ったが、1万人余りがセウタに残っているとみられる。

セウタ市当局は食料配給の実績などを基に、残っている移民は9000~1万人に達する可能性があり、そのうち約2000人が未成年だと推計している。一方、スペイン内務省は約5000人と見積もり、実際に何人が市内に残っているのかさえ明確になっていない。移民の一部は森や海岸、移民受け入れ施設の周辺などに身を寄せ、段ボールや簡易テントを使って生活している。

当局は20日、海岸に滞在していた移民を誘導し、臨時の宿泊施設へ移動させた。しかし、すべての移民を収容できるわけではなく、現地では依然として路上を歩く移民が多数目撃されている。地元住民らが運営する簡易施設では、女性や未成年者を中心に数百人が生活しているという。中央政府は駐車場や軍関連施設などを活用し、約1800人分の収容スペースを確保したほか、緊急対応として650万ユーロを拠出した。

人道面の課題も深刻になっている。国連は移民が住居や食料などの基本的サービスにアクセスできていないとして、スペイン政府に対し、庇護申請の手続きを速やかに開始するよう求めている。セウタに残る移民のうち約1200人が国際的な保護の対象となる可能性があると推計されている。今回の流入者にはモロッコ人だけでなく、紛争下にあるスーダンやマリ、イエメンなどから来た移民・難民も含まれている。

一方、セウタでは地元政府と中央政府の対立が強まっている。セウタ市長は移民を海岸から別の場所へ移動させるだけでは問題の解決にならないとして、中央政府の対応を批判してきた。移民側にも不満が広がっており、海岸では「庇護」を求めるプラカードを掲げた抗議行動も行われた。

大規模流入の混乱が収束する一方、セウタには「入った後、どうするのか」という新たな問題が残された。中央政府は収容場所の確保と移民の処遇を急いでいるが、庇護申請、モロッコへの送還、スペイン本土への移送など、今後の道筋はなお不透明である。

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