◎穏健党率いる右派4党は今月11日に行われた総選挙で176議席を獲得し、アンデション首相率いる左派の173議席を上回った。(定数349議席)
2022年9月11日/スウェーデン、首都ストックホルム、穏健党のクリステルソン党首(Fredrik Sandberg/TT News Agency)

スウェーデン議会は19日、今月11日に行われた総選挙で野党連合が勝利したことを受け、中道右派「穏健党」に連立交渉を開始するよう要請した。

穏健党率いる右派4党は176議席を獲得し、アンデション(Magdalena Andersson)首相率いる左派の173議席を上回った。(定数349議席)

公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)によると、議会議長は穏健党のクリステルソン(Ulf Kristersson)党首に連立政権を組めそうかどうか尋ねたという。

議会議長は他の右派3党の党首とも会談し、政権発足には時間がかかると判断したようだ。SVTは政府筋の話を引用し、「議会議長は期日を明言しなかった」と報じている。

クリステルソン氏は19日の記者会見で、「議長にはすべてうまくいっている。私は分裂ではなく、団結を目指すと伝えた」と説明した。

今回の選挙で第2党に躍進した極右スウェーデン民主党のオーケソン(Jimmie Akersson)党首は19日、「新政権は過半数を保持できると確信している」と語った。

しかし、多くの専門家が過半数保持は容易ではないと指摘している。

スウェーデン民主党は1980年代末の「ネオナチ運動」「白人民族主義運動」をルーツとし、長い間のけ者扱いされてきた。SVTによると、ある右派政党はスウェーデン民主党が参加する連立は望まないと主張しているようだ。

右派4党が仲違いするか否かは今後の交渉次第だが、いずれにせよ、第2党のスウェーデン民主党が議会で大きな影響力を持つことは間違いない。

同党は近年、過激な思想を捨て、徐々に力をつけてきた。今回の総選挙ではギャングの暴力を厳しく取り締まると公約に掲げ、多くの支持を集めたとみられる。

スウェーデンではギャングによる暴力事件が増加しており、警察の統計によると、今年は273件の発砲事件が発生し、そのうち47件で死者が報告されている。

アンデション氏は先週、右派に敗れたことを認め、辞意を表明。新政権発足まで首相を務める予定だ。

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