スペイン首相、セウタ移民危機でロシアとイスラエルの偽情報を非難
セウタでは7月30日を中心に約7万2000人がモロッコから不法に越境した。異例の規模となった移民流入によって現地は混乱し、スペイン側で82人、モロッコ側で14人が死亡したとされる。
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スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相は8月31日、北アフリカのスペイン領セウタで7月末に発生した大規模な移民流入をめぐり、ロシアとイスラエルに関連するネットワークがスペインの移民政策について偽情報を拡散し、危機を引き起こしたとの見方を示した。スペイン政府は移民がSNS上で流された情報に誘導され、一斉にモロッコからセウタへ向かった可能性があるとみている。
セウタでは7月30日を中心に約7万2000人がモロッコから不法に越境した。異例の規模となった移民流入によって現地は混乱し、スペイン側で82人、モロッコ側で14人が死亡したとされる。大半の移民はその後モロッコへ戻ったものの、8月31日時点でも5000~8000人がセウタに残り、仮設キャンプなどで生活している。
サンチェス氏はロシアとイスラエルに関係するネットワークが、極右勢力の一部と連携しながらSNS上で誤った情報を広めたと主張している。一方、ロシア政府とイスラエル政府はいずれもスペイン側の主張を否定している。スペイン政府は今回の大量流入について、モロッコ当局が関与した証拠はないとしており、野党や人権団体などから出ている別の見方と対立している。
危機の影響はセウタにとどまらず、欧州全体の移民政策にも波及している。スペインは移民の審査や処理を支援してもらうためEUの欧州国境沿岸警備機関(Frontex)に協力を要請したほか、イタリアとの間では移民の移動を抑えるため一時的な国境管理が延長された。シェンゲン圏の自由な移動にも影響を及ぼす措置となっている。
今回の問題は移民危機において、SNS上の偽情報が人々の行動を左右し、現実の国境管理やEU域内の政治にまで影響を及ぼす可能性を浮き彫りにした。スペイン政府は情報戦への対策と移民の受け入れ・審査体制の強化を迫られることになる。
