政治家に支給される「終身手当」の是非問う国民投票 スロバキア
今回の国民投票は国民議会(一院制、定数150)に議席を持たない野党・民主党が約35万人分の署名を集めて実施を求めたことがきっかけとなった。
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スロバキアで4日、フィツォ(Robert Fico)首相ら高官に支給される終身手当の廃止や、汚職・組織犯罪を捜査していた特別検察庁と国家犯罪庁の復活の是非を問う国民投票が行われた。投票は親EU路線を掲げる野党が主導した請願を受けて実現したもので、フィツォ政権への評価を問う意味合いも帯びている。
今回の国民投票は国民議会(一院制、定数150)に議席を持たない野党・民主党が約35万人分の署名を集めて実施を求めたことがきっかけとなった。スロバキアの法律では一定数以上の有権者の署名が集まれば国民投票を実施できる。投票では、首相や国会議長を2期以上務めた人物に退任後も国会議員と同額の手当を生涯支給する制度を廃止するかどうかに加え、フィツォ政権が廃止した特別検察庁と国家犯罪庁を復活させるかどうかが問われた。
終身手当制度は2024年、フィツォ氏が銃撃され重傷を負った事件を受け、国家指導者の安全確保を目的とする措置の一環として導入された。それまで終身手当の対象は歴代大統領に限られていたが、制度改正により首相や国会議長にも支給対象が拡大された。一方、野党側は財政負担が増えるだけでなく、政治家への過剰な優遇措置だとして制度の撤廃を求めてきた。
また、フィツォ政権は2024年に汚職や組織犯罪、過激主義事件を担当していた特別検察庁と国家犯罪庁を廃止した。この決定に対しては、与党関係者が汚職事件で捜査対象となっていたことから、捜査の弱体化につながるとの批判が国内外で相次ぎ、首都ブラチスラバを中心に大規模な抗議デモも繰り返し行われた。
フィツォ氏は2023年の政権復帰以降、ロシア寄りの外交姿勢やEUとの対立姿勢などで国内世論を二分してきた。今回の国民投票についても投票には参加しない考えを示し、制度の正当性を主張している。
国民投票が成立するには有権者の50%以上が投票する必要がある。スロバキアではこれまで実施された国民投票の大半が投票率不足で成立せず、成功例は2003年のEU加盟の是非を問う国民投票のみである。今回も事前の世論調査では投票率が成立要件に届かない可能性が高いとみられており、結果だけでなく投票率の行方にも注目が集まっている。
