◎先月末の議会選(一院制、定数150)で勝利した政党スメルは左派政党フラスと10人の議員を擁する超民族主義・親ロシア政党「スロバキア国民党(SNS)」と協定を結んだ。
スロバキアのチャプトバ大統領(Getty Images)

スロバキアチャプトバ(Zuzana Caputova)大統領は19日、気候変動を軽視する人物を環境相に任命することは受け入れられないとして、新内閣の就任式を延期すると発表した。

先月末の議会選(一院制、定数150)で勝利した左派政党スメルのフィツォ(Robert Fico)元首相は他の2政党との連立協定に署名。新内閣発足に向けた準備を進めている。

スメルは選挙で3位となった左派政党フラスと10人の議員を擁する超民族主義・親ロシア政党「スロバキア国民党(SNS)」と協定を結んだ。

チャプトバ氏は声明で、「気候変動を軽視する人物の環境相指名は受け入れられず、それは我が国の環境政策に反するものである」と述べている。

地元メディアによると、フィツォ氏はSNSの議員を環境相に指名したという。

この議員は環境活動家に対する暴力を容認したとされる。チャプトバ氏は声明の中で、「SNSはLGBTQ+(性的少数者)やEUを誹謗中傷し、親ロシア的な意見を繰り返し表明している」と非難した。

SNSの報道官は19日、チャプトバ氏の意見を聞き入れるつもりはないと表明。フィツォ氏に新内閣を速やかに発足させるよう要求した。

新内閣発足には大統領の承認が必要である。

フィツォ氏はウクライナ支援の打ち切りを公約に掲げ、EUとNATOにとどまったうえで、自国の主権を最優先すると有権者に約束している。

地元メディアによると、新内閣の閣僚構成はスメルが首相と大臣6人。フラスが大臣7人。SNSが大臣3人になる予定。

チャプトバ氏は2019年の選挙で初当選を果たし、同国史上初の女性大統領となった。

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