◎ロシア軍は開戦後まもなく、ザポリージャ原発を含むザポリージャ州の一部を占領した。
2022年8月26日/ウクライナ、南部ザポリージャ州の避難所、ヨウ素錠剤を受け取る住民(Andriy Andriyenko/AP通信)

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ(Rafael Mariano Grossi)事務局長は28日、ロシア軍がウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所の施設を砲撃したと発表した。

グロッシ氏によると、ロシア軍の砲撃は同原発の原子炉建屋から100mほどしか離れていない施設に命中したという。砲撃を受けた日時は明らかにしていない。

グロッシ氏はウクライナ政府の報告を引用し、「砲弾は2つの施設に命中した」と述べている。

またグロッシ氏はこの施設について、「水処理、機械修理、廃棄物を管理する施設」と説明した。

ロシア軍はこの攻撃に関する声明を出していない。

グロッシ氏は敷地内の水道管が被害を受けたものの、それ以外に大きな損傷はみられず、放射線量の値も通常の範囲内とした。

欧州最大規模のザポリージャ原発は25日にウクライナの送電系統から完全に切り離されたが、送電線は翌日復元され、原子炉2基への電力供給を再開した。

しかし、残り4基の送電系統は切断されたままであり、ウクライナ公共放送によると、復旧の目途は立っていないという。

ロシア軍は開戦後まもなく、ザポリージャ原発を含むザポリージャ州の一部を占領した。占領地を管理する親ロシア勢力はロシア編入の是非を問う住民投票を年内に行うと主張している。

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