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ロシア戦時経済に長期的なひずみ、軍事支出と債務拡大、原油収入が当面の支え

ロシア政府によると、2026年の経済成長率は0.6%にとどまる見通しだ。
ロシア、首都モスクワのクレムリン(Getty Images)

戦時下のロシアで軍事支出の膨張や財政赤字、企業・消費者心理の悪化など、長期的なひずみが強まっている。戦時経済は急速な成長局面を終えて停滞に向かっているものの、現時点で金融危機や経済崩壊が迫っている状況ではない。高い原油価格による輸出収入と低い失業率が、ウクライナ侵攻を続けるロシア経済を支えている。

ロシア政府によると、2026年の経済成長率は0.6%にとどまる見通しだ。2023~24年には軍事支出の拡大や賃金上昇を背景に4%を超える成長を記録したが、その勢いは失われた。2026年第1四半期(1~3月)には経済が縮小し、第2四半期に持ち直したものの、消費者心理は悪化している。独立系世論調査機関レバダ・センターの消費者心理指数は2026年夏に94となり、2025年春夏の116から低下した。

財政面でも負担が増している。7月末時点の財政赤字は国内総生産(GDP)の2.8%に達し、年間予算で当初想定していた水準のおよそ2倍となった。政府は付加価値税や各種手数料、企業への課税を強化する一方、国内銀行からの借り入れにも頼っている。ロシア国債の金利は最大17%に達し、国債による戦費調達は民間企業にとっても資金調達コストを押し上げる要因となっている。

一方、原油収入はロシア財政の重要な支えとなっている。イラン戦争による国際的な原油価格の上昇を受け、ロシアの原油輸出収入は2026年6月に158億ドル、7月には138億ドルまで回復した。これにより財政上の圧力は一時的に緩和されているが、高いエネルギー価格が続くことが前提となる。

軍事支出には地方経済を支える側面もある。防衛関連工場では生産拡大と雇用増加が進み、全国の失業率は2.2%と低い水準にある。ただし、熟練労働者の不足や若年層を中心とした国外流出は、生産能力を制約する要因になっている。

西側諸国の制裁による投資不足も長期的な課題だ。エコノミストからは、高い軍事支出、低成長、債務増加、高金利が重なる現在の経済構造について、持続性への懸念が示されている。

ロシア経済は直ちに崩壊する状況ではないものの、戦争を長期化させるほど財政と生産基盤への負担が蓄積する構図となっている。

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