◎昨年の憲法改正には、プーチン大統領の以前の任期をリセットし、あと2回大統領選挙に立候補できる条項が含まれていた。
2021年4月2日/ロシア、首都モスクワ、ウラジーミル・プーチン大統領(AP通信)

4月5日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年7月の国民投票で承認された新たな法律に署名した。これにより、プーチン大統領は2036年まで権力を保持できることになった。

昨年の憲法改正には、プーチン大統領の以前の任期をリセットし、あと2回大統領選挙に立候補できる条項が含まれていた。地元メディアによると、プーチン大統領はクレムリン(の立法府)が提出した新たな法律に署名し、関係者と握手を交わしたという。

ソビエト連邦の最高指導者、ヨシフ・スターリン以来となる長期独裁政権を確立したプーチン大統領は、2024年の大統領選挙に出馬するかどうかを間もなく決定すると伝えられている。

プーチン大統領の補佐官は昨年、「大統領は後継者を探しつつ職務を遂行することが重要だと言っています」と述べた。「任期のリセットはロシアのさらなる発展と成長を推し進めるうえで必要不可欠な措置です。プーチン大統領はロシア、市民、世界秩序のために働くと誓約しています」

憲法改正により、ロシアの法律は全ての国際法を上回り、同性婚は非合法化された。なお、1週間ダラダラと続いた国民投票の投票率は68%で、78%が改正に賛成したと信じられている。投票後、議会は法案を可決した。

2021年4月2日/ロシア、首都モスクワ、ウラジーミル・プーチン大統領(AP通信)

一方、野党は憲法改正を非難し、「多くの有権者が脅迫、圧力、暴力、その他の様々な不正行為に直面した」と述べた。「投票は不正に満ちています。政府は票を秘密の施設で集計し、独立した委員会の監視を却下し、都合の良い数字を発表しました」

国民投票から1か月後、反プーチンを主導する野党指導者のアレクセイ・ナワルニー氏はソビエト産の神経ガス「ノヴィチョク」をロシアのエージェントに塗布され、半死半生状態でベルリンの病院に入院した。

九死に一生を得たナワルニー氏は1月、ドイツから帰国した直後に逮捕された。

ナワルニー氏は2月の秘密裁判で執行猶予中のルールを無視した罪に問われ、懲役2年8カ月の実刑判決を受けた。ナワルニー氏は2014年に横領罪で起訴され執行猶予付きの有罪判決を受けたが、同氏は横領を否定し、被害者とされる企業も詐欺にあった覚えはないと当局の判決を非難している。

東部の強制収容所に収監されたナワルニー氏は3月31日の声明(弁護士経由)で、「適切な医療を受けることができず、睡眠時間も奪われている」と主張し、抗議の意思を示すためにハンガーストライキを開始すると宣言した。

ロシアのイズベスチヤ紙は4月5日の記事の中で、「ナワルニー氏は高熱と呼吸器疾患の兆候を示したため、刑務所内の衛生施設に移された」と報じた。

ナワルニー氏の弁護士はインスタグラムの投稿で、「ナワルニー氏と同室の受刑者15人のうち、3人が結核と診断された」と述べた。「ナワルニー氏は38℃以上の発熱と咳に苦しめられています」

イズベスチヤ紙によると、ナワルニー氏は医師からバランスの取れた食事を取るよう勧められたという。しかし、ナワルニー氏が収監されたロシアで最も厳しい刑務所は、「接着剤のようなお粥と冷凍ポテト」ばかり提供すると伝えられている。

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