◎この改正案は与党寄りの保守的な農村部や小さな町の投票を容易にするものであり、公共交通機関がない地方自治体は有権者を投票所まで無料で送迎する義務を負う。
ポーランド、首都ワルシャワ郊外の投票所(Getty Images)

ポーランドの野党「市民プラットフォーム」は27日、連立政権が提案した選挙法改正案を批判し、今秋予定されている総選挙の監視体制を強化する必要があると訴えた。

前欧州理事会常任議長(EU大統領)である市民プラットフォームのトゥスク(Donald Tusk)党首は記者会見で、「最近行われた世論調査で与党が敗れる可能性が高まった結果、改正案が提出された」と指摘した。

またトゥスク氏は「与党は議会の過半数を維持するために、選挙の数カ月前に急いで法を改正しようとしている」と批判した。「これは民主主義の原則に反するものであり、到底受け入れられません...」

連邦議会下院は26日に法案を可決、上院に送った。ドゥダ(Andrzej Duda)大統領が署名すれば法案は成立する。

この改正案は与党寄りの保守的な農村部や小さな町の投票を容易にするものであり、公共交通機関がない地方自治体は有権者を投票所まで無料で送迎する義務を負う。

また区割りを大きく見直し、1選挙区当たりの有権者数の基準を現在の500人から200人に引き下げ、選挙区数を増やすとしている。

与党は改正案が投票率を向上させ、さらに車を持たない高齢車や障がい者などの選挙権を確実に保証すると指摘している。

トゥスク氏は与党「法と正義」と連立パートナーが選挙結果に影響を与えようとしていると批判した。「彼らは総選挙で苦戦を強いられると焦り、選挙結果をゆがめるために急いで法を改正しようとしています...」

またトゥスク氏は「我が党は不正投票を防止するために監視体制を強化する」と述べた。

ポーランドの選挙法は投票所での不正を防止する措置として、民間の選挙監視員(投票立会人)の配置を認めている。

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