◎ポーランド政府は旧ソ連が使用してきた数多くの不動産を取り戻すための法的手続きを進めている。
ポーランド、首都ワルシャワの最高裁判所(Getty Images)

ポーランド外務省は29日、裁判所の決定に基づき、ワルシャワにあるロシア系学校に建物を返還するよう命じたと明らかにした。

同省によると、この学校は数年前に同国への返還が決まったものの、ロシア当局はこの決定に従わなかったという。

同省の報道官は声明で、「判事の決定は外務省と完全に一致し、在ロシア大使館が長年不法に所有していた建物の所有権をポーランド国家に返還するよう命じる決定に基づいている」と述べた。

しかし、ロシア外務省は29日、ポーランド当局が学校を「侵略」したと非難。1961年の外交関係に関するウィーン条約(公認の外交官とその家族の訴追免除を規定)に違反したと主張した。

ロシア外務省のザハロワ(Maria Zakharova)報道官は声明で、「ポーランドの不謹慎な決定は我々の厳しい反応を引き起こすだろう」と述べ、報復制裁を示唆した。

ポーランド外務省によると、建物の所有権は速やかにポーランド側に移るという。

ポーランドは近隣諸国と同じように、第二次世界大戦中にナチスとソ連に侵略・占領され、その後1989年までその統治に耐えてきた。

共産主義の終焉後、ポーランド政府は旧ソ連が使用してきた数多くの不動産を取り戻すための法的手続きを進めている。

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