SHARE:

ポーランドとバルト3国、ロシアの「偽旗作戦」を警戒、重要インフラの警備強化

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、NATO東部に位置するポーランドとバルト3国は軍事攻撃だけでなく、破壊工作、ドローン、偽情報などを組み合わせた複合的な脅威への備えを迫られている。
2022年11月2日/ポーランドとロシア飛び地カリーニングラードの国境、ポーランド兵(Michal Kosc/AP通信)

ポーランドとバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)がロシアによる「偽旗作戦」を想定し、ダムや発電所、ガス関連施設など重要インフラの警備を強化している。ロシアが鹵獲したウクライナ製ドローンを使った攻撃を仕掛け、その責任をウクライナになすりつけることで、NATO内部の混乱や対ウクライナ支援の弱体化を狙う可能性があるとの懸念が背景にある。

特に警戒を強めているのがリトアニアだ。リトアニアの情報機関は、ロシアがウクライナ製ドローンを利用し、バルト地域の重要施設を攻撃する計画を検討している可能性があるとみている。

リトアニア国防省はこうした攻撃によってロシアが関与した証拠を分かりにくくし、NATO加盟国の間に疑念を生じさせる狙いがあるとの見方を示している。リトアニア政府は軍を投入し、エネルギー関連施設などの警備を強化している。

ラトビアでも対策が進んでいる。政府はダウガバ川にあるダムや首都リガの近郊の地下ガス貯蔵施設などへの警戒を高めている。ポーランドでは石油大手オルレンやガス輸送インフラを運営するガズ・システムが脅威の高まりを受けて供給ルートや施設の安全対策を見直した。また、ポーランドの原子力発電計画を巡って偽造文書が出回り、東側から発信された可能性があるとして、破壊工作だけでなく情報戦への警戒も強まっている。

背景には、欧州各地で相次ぐドローン関連の事案がある。ドイツでは爆発物を搭載したドローンが空港で発見されるなど、ロシアによる関与が疑われる事例が各国で問題となっている。

ポーランドやバルト3国はこうした活動が単なる物理的な攻撃にとどまらず、社会の不安をあおり、NATOの結束を試す「ハイブリッド戦」の一環になる可能性を警戒している。

一方、ロシア側はこうした警告を根拠のない「恐怖をあおる話」と否定している。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、NATO東部に位置するポーランドとバルト3国は軍事攻撃だけでなく、破壊工作、ドローン、偽情報などを組み合わせた複合的な脅威への備えを迫られている。

各国は攻撃が実際に起きるかどうかにかかわらず、重要インフラを守ることで、混乱や誤認がNATO全体の危機に発展する事態を防ごうとしている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします