◎クルド人の文化施設などで男が銃を乱射した事件では3人が死亡、3人が重軽傷を負った。
2022年12月24日/フランス、パリ中心部、クルド人コミュニティへの攻撃に抗議する暴動(Lewis Joly/AP通信)

フランスの首都パリで24日、クルド人コミュニティへの攻撃に抗議するデモが行われ、暴動に発展した。

デモ隊は23日に発生した銃乱射事件に抗議し、警察に石を投げつけた。

報道によると、暴徒化した一部の市民が車をひっくり返し、ゴミ箱に火をつけ、道路にバリケードを構築したという。警察は催涙ガス弾で応戦した。

クルド人の文化施設などで男が銃を乱射した事件では3人が死亡、3人が重軽傷を負った。負傷した3人のうち1人は重体と報告されている。

AFP通信によると、69歳の容疑者は自らを差別主義者と呼び、健康上の理由で24日に拘留を解かれ、精神科施設に移されたという。

AFPは警察筋の話を引用し、「男は外国人が嫌いだから殺したと証言した」と報じている。

また、容疑者は施設内で「拳銃」を乱射し、少なくとも銃弾25発と弾倉が入った箱を所持していたという。

容疑者は文化施設、美容院、レストランで銃を乱射したのち、抵抗することなく逮捕された。

警察は容疑者について、「69歳の元電車運転士の男」と説明している。

AFPによると、容疑者は昨年12月に市内にある移民収容施設を襲撃。刃物でテントを切り裂いたとして逮捕されたという。検察は容疑者を勾留の上限である1年間拘束し、今月12日に釈放した

抗議デモは23日の事件後すぐ始まり、暴動に発展した。クルド人とみられる人々は通りに火を放ち、車や店舗の窓ガラスを割ったりした。

警察は一部の暴徒がバリケードを突破しようとしたため、催涙ガスを使用した。

24日の暴動は事件現場近くの広場で犠牲者に敬意を表す集会が行われた後に展開された。

警察によると、警察官31人とデモ参加者1人が負傷し、少なくとも11人が逮捕された。

デモ隊はフランス当局にクルド人が多く住む地域の警備を強化するよう求めている。地域のリーダーたちは24日、パリ警察の署長らと面会した。

デモに参加した女性はAFPに、「10年前の事件を思い出し、参加した」と語った。

2013年1月にパリ市内でクルド人女性の活動家3人が殺害された事件はまもなく発生から10年を迎える。犯人は捕まっていない。

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