◎バルトロメオ師はウクライナ人との連帯が「世界の悪と闇に打ち勝つ唯一のものである」と強調した。
2021年11月2日/NY州ロウアー・マンハッタンの聖ニコラス聖堂、正教会のエキュメニカル総主教(Ted Shaffrey/AP通信)

正教会のエキュメニカル総主教は29日、ロシアによるウクライナ侵攻を多大な苦しみをもたらした「非道で残虐な侵略行為である」と厳しく非難した。

エキュメニカル総主教のバルトロメオ師はポーランドを訪問しウクライナ難民と面会した。ポーランドはウクライナから避難した市民200万人以上を受け入れている。

バルトロメオ師は記者団に、「この残虐な侵略がウクライナの人々や全世界にどれほどの被害をもたらしたか、想像することは不可能だ」と述べたが、ロシアには言及しなかった。

またバルトロメオ師はウクライナ人との連帯が「世界の悪と闇に打ち勝つ唯一のものである」と強調した。

AP通信などによると、バルトロメオ師はポーランドの大司教と会談し、ロシアの行為を「大量虐殺の特徴を帯びている」とさらに踏み込んで非難したという。ポーランドの大司教はバルトロメオ師とは異なり、ロシアを名指しで非難した。

ポーランドの大司教は声明の中で、「ロシアの侵攻により、数百人の子供、老人、女性、敵対行為とは無関係の男性を含む数千人の罪のない人々が殺された」と述べている。「ロシアの行為の多くは大量虐殺の特徴を帯びています...」

ポーランドの大司教は今月初め、ロシア正教会のキリル総主教に対し、ロシアのプーチン大統領への影響力を行使して戦争の終結とロシア兵の撤退を要求するよう促した。これはフランシスコ教皇の公式声明よりさらに踏み込んだものだった。

イスタンブールに本拠を置くコンスタンティノープル総主教庁は正教会のトップと見なされているが、キリル総教主を含む他の正教会指導者は教徒の数が多いという理由でより大きな力を行使できる。

ウクライナ国民の大半は正教徒だが、首都キエフにある教会は独立系とキリル総教主に忠実な教会に分かれている。

キリル総教主とロシア正教会は2019年にコンスタンティノープル総主教庁がウクライナ正教会をロシア正教会から独立させると認めた後、バルトロメオ師との連絡を絶った。

ウクライナ正教会の両派の指導者は、他の少数派のカトリックと同様に、ロシアの侵攻を厳しく非難している。

バルトロメオ師はポーランドで会ったウクライナ難民の苦しみを表現する言葉を見つけることは難しいと述べ、代わりに預言者エレミヤの言葉を引用し、聖句に言及した。「私の頭が水の泉であり、私の目が涙の泉であるならば、私は昼も夜も私の民の殺害のために泣くであろう」

2022年3月13日/ポーランド南東部コルチョバの避難所(Petros Giannakouris/AP通信)
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