◎ウクライナ南部と国境を接するモルドバでは先月にも同様の爆破予告が40件以上報告された。
2022年8月10日/モルドバの空港(Getty Images)

モルドバの警察当局は15日、最高裁判所や国際空港などに対する爆破予告が相次ぎ、捜査を進めていると報告した。

警察の報道官によると、15日には脅迫文が少なくとも9件届き、ショッピングセンターや医療機関などが標的になったという。

脅迫文がどこにどのような方法で届いたかは明らかにされていない。

ウクライナ南部と国境を接するモルドバでは先月にも同様の爆破予告が40件以上報告された。警察によると、その半分以上が首都キシナウの空港に対するもので、遅延や欠航を引き起こしたケースもある。

先月の爆破予告はすべて嫌がらせであることが判明している。警察は偽計業務妨害で捜査を進めている。

ガブリリツァ(Natalia Gavrilita)首相は先日放送されたラジオインタビューの中で、「脅迫文の捜査でロシアとベラルーシのIPアドレスにたどり着いたが、ハッカー集団に操作されている可能性があり、容疑者の特定には至っていない」と述べていた。

またガブリリツァ氏はロシアとベラルーシに捜査を依頼したと明らかにした。「これらの脅迫がモルドバに対する嫌がらせであることは明らかです。犯人は私たちの反応を見て楽しんでいるのでしょう...」

モルドバ東部の分離主義国家である沿ドニエストルでは今年4月、ロシアのウクライナ侵攻に関係があるとみられる爆発が複数報告され、緊張が高まった。

沿ドニエストルは1990年代初頭の「トランスニストリア戦争」でモルドバから独立したと主張しているが、モルドバ政府と国際社会はこれを認めていない。ロシア軍は分離主義勢力のテロ作戦を支援し、平和維持という名目でこの地域に兵士1500人を駐留させている。

モルドバは憲法上中立国であり、NATO加盟の可能性はないが、6月下旬にEUの加盟候補国に認められた。

しかし、EUへの正式加盟には汚職、組織犯罪、人権、法の支配の強化など一連の改革が必要であり、長い道のりになると予想されている。

ロシアはウクライナ南部の黒海に面する地域を完全掌握することで、2014年に併合したクリミア半島と沿ドニエストルを結ぶ陸上回廊を形成したいと考えている。

2022年3月19日/モルドバとウクライナの国境検問所(Sergei Grits/AP通信)
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