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モルドバのムンテアヌ首相が辞意表明、理由明らかにせず

ムンテアヌ氏は2025年秋の議会選挙後に発足した親EU政権を率い、EU加盟に向けた制度改革や行政改革を推進してきた。
2025年11月1日/モルドバ、首都キシナウの議会議事堂、ムンテアヌ首相(ロイター通信)

モルドバのムンテアヌ(Alexandru Munteanu)首相が3日、辞意を表明した。2025年11月の就任から約8か月での突然の辞任となり、同国憲法の規定に基づき内閣も総辞職することになった。ムンテアヌ氏は辞任の理由について、「自らの原則と信念に従って職務を遂行できなくなった」と説明したものの、具体的な事情には言及しなかった。今後はサンドゥ(Maia Sandu)大統領が各政党との協議を経て首相候補を指名し、新内閣の発足を目指す。

ムンテアヌ氏は2025年秋の議会選挙後に発足した親EU政権を率い、EU加盟に向けた制度改革や行政改革を推進してきた。モルドバは2022年にEU加盟候補国となり、その後は司法制度の改革や汚職対策、経済構造改革を進めることで、2030年までの加盟実現を目指している。ロシアによるウクライナ侵攻以降、隣国ウクライナとルーマニアに挟まれた同国は安全保障上の重要性を増しており、欧州との連携強化を外交の柱としてきた。

今回の辞任の背景には、国営航空管制会社「モルドATSA」などで幹部職員に高額な給与が支払われていたことを巡る批判が高まっていたことがあるとみられる。この問題は国内世論の反発を招き、政府の説明責任を問う声が強まっていた。ただし、ムンテアヌ氏は辞任との直接的な関連について説明しておらず、真の理由は明らかになっていない。

サンドゥ氏は3日、記者団に対し、ムンテアヌ氏が新首相の任命まで暫定的に職務を続けるとしたうえで、「EU加盟という国家目標に変更はなく、改革路線も継続する」と強調した。また、翌週から議会各会派との協議を開始し、速やかに後任候補を指名する考えを示した。与党「行動と連帯(PAS)」は議会で過半数を維持しているため、新政権の発足によって直ちに総選挙が実施される見通しは低い。

EUもモルドバへの支援継続を表明している。EUの駐モルドバ大使は3日、政権交代があっても加盟交渉や改革支援への姿勢は変わらないとの認識を示した。一方で、国内では物価上昇や経済格差への不満も根強く、新政権には改革の継続と生活改善を両立させる手腕が求められる。ロシアの影響力を巡る地政学的な緊張が続く中、モルドバが親EU路線を維持しながら政治的安定を確保できるかが今後の焦点となる。

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