◎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年ギリシャに到着した亡命希望者は約8000人。その大半がトルコを出発した。
ギリシャへの亡命を希望する人々(Getty Images)

ギリシャ政府は24日、この1カ月で亡命希望者約2万5000人の不法入国を阻止し、隣国トルコが移民をギリシャに送り出していると非難した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、この数字は今年ギリシャに入国できた亡命希望者の3倍以上に相当するという。

ギリシャのテオドリカコス議員は地元メディアのインタビューで、トルコ国境に猛烈な圧力がかかっていると指摘し、亡命希望者の激増は安全保障を揺るがす脅威に発展しつつあると警告した。

またテオドリカコス氏はこの1カ月で2万5000人もの亡命入国者がトルコからギリシャに入国しようとしたと語った。

テオドリカコス氏は国境警備隊がどのように入国を阻止したかは明らかにしなかった。

トルコ政府と人権団体は、ギリシャ政府は領内に入った亡命希望者に申請の機会を与えず、不法に帰国させていると繰り返し非難しているが、ギリシャはこれを否定している。

ギリシャ政府は23日、トルコ国境の一部に建設した国境フェンスを延長すると発表した。人権団体はこのフェンスも非人道的と非難している。

テオドリカコス氏は「トルコ政府が不幸な人々を組織的、計画的、そして複雑な方法で利用していることは明らかだ」と断言した。

またテオドリカコス氏は、「移民の多くはシリア人で、トルコ政府からシリアに戻るかギリシャに行くか選ぶよう命じられ、しぶしぶギリシャを選択している」と主張した。「トルコ政府は女性や子供に選択を迫り、危険な旅をさせているのです...」

ギリシャとトルコの関係は、移民や海底エネルギー探査権などをめぐり緊迫している。

シリア難民約400万人を受けているトルコは、その負担を西欧も負うべきと主張しているが、難民を無理やり押し出しているというギリシャの主張は否定している。

UNHCRによると、今年ギリシャに到着した亡命希望者は約8000人。その大半がトルコを出発した。

2021年5月21日/ギリシャとトルコの国境(Giannis Papanikos/AP通信)
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