◎ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
ギリシャ沖、亡命を希望する移民たち(Getty Images)

ギリシャ政府は中東で続く戦争の影響により移民・難民が急増する恐れがあるとして、EUの執行機関である欧州委員会に移民政策の厳格化を求めている。

首相府の報道官は30日の声明で、「昨年の秋以降、海路で到着する移民の割合が2倍以上に急増したことを受け、政府はロードス島とクレタ島に移民・難民向けの収容施設の建設を検討している」と明らかにした。

また報道官は「現在のペースから推計すると、年末までにおよそ5万人の移民がわが国に入国すると予測している」と述べた。

それによると、南部の島々にある既存の移民施設の収容率は100%、本土の収容率は60%程度だという。

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。

その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。

ギリシャ政府によると、パレスチナ・ガザ地区で紛争が始まって以来、北アフリカルートを使う移民が増えているという。

報道官は、「レバノン人の流入も確認されているが、他の中東諸国(ガザ、イエメン、アフガン)のような急増は見られない」と述べた。

ギリシャは欧州委員会により厳格な移民政策を導入するよう求めている。

今年合意されたEU移民協定は新たな交渉ラウンドを経て、2026年半ばに発効する予定だ。ギリシャ政府はより強固な強制送還政策と、より厳しい国境管理を実行できるよう、協定の修正を求めている。

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