◎ギリシャ沿岸警備隊は先週、カルパトス島の南東約100km地点で不審な船舶を発見。不法入国罪で5人を逮捕し、移民96人を保護した。
2015年8月17日/ギリシャ、レスボス島に到着したシリア難民(UNHCR)

ギリシャの裁判所は2日、レバノンからイタリアに亡命希望者を密入国させようとした5人を不法入国罪で起訴した。

地元メディアによると、5人は100人近くの移民と一緒にイタリアを目指していたという。

レバノンの亡命希望者が地中海で保護されたのはこの1カ月で2回目。中東やアフリカから西欧への移住を希望する人々はトルコからギリシャやイタリアを経由して英独などを目指す。

しかし、ギリシャは国境警備を強化しているため、地元メディアによると、ギリシャルートを使う人身売買組織は目に見えて少なくなったという。

ギリシャ沿岸警備隊は先週、カルパトス島の南東約100km地点で不審な船舶を発見。不法入国罪で5人を逮捕し、移民96人を保護した。

国営ラジオ・テレビERTによると、5人はアフガニスタン、イラン、トルコ国籍で、レバノンから出航したことを認めたという。

子供40人と女性19人を含む96人はギリシャの難民保護施設に移送された。

ギリシャ沿岸警備隊は2日の声明で5人が起訴されたことに触れ、「密航船に押し込まれた人々の多くが体調を崩していた」と明らかにした。

同警備隊によると、人々はイタリアに向かうために1人6500~8000ドルを支払ったという。

6月28日にはレバノンからイタリアに向かっていた密航船がカルパトス島沖で航行不能となり、警備隊に救助された。この船には乗員6人と移民166人が乗っていた。乗員6人はすでに起訴されている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年上半期に海路でイタリアに到着した移民のうち、レバノンから出発した者は約2%に過ぎないという。その55%がリビア、21%がトルコだった。

2021年9月18日/ギリシャ、サモス島に建設された移民収容施設(Getty Images/AFP通信)
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