SHARE:

ドイツ極右AfD、反EU路線を修正か、離脱要求から「主権国家の連合」へ

AfDは2013年、ユーロ圏の財政危機に対する救済政策への反発を背景に結成された。
2025年9月15日/ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル党首ら(ロイター通信)

ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が長年掲げてきた欧州連合(EU)とユーロへの反対姿勢を見直す可能性が浮上した。ロイター通信によると、AfD内ではドイツのEU離脱やユーロ圏からの離脱を直ちに求めるのではなく、EU条約に関する協議を進め、加盟国の主権を強める方向への転換が検討されている。

AfDは2013年、ユーロ圏の財政危機に対する救済政策への反発を背景に結成された。当初からユーロ圏の解体やドイツのEU離脱を主張し、現在の党綱領でも最終的にEUに代わる新たな欧州の枠組みを構築する方針を掲げている。執行部が今回の見直しを正式に承認すれば、党創設時からの主要政策の一つが大きく変化することになる。

ロイターが入手した党の戦略文書によると、AfDはEUを、より緩やかな「主権国家の連合」へと再編することを提案している。移民政策やEU財政、社会政策などについて各国が例外措置を選択できるようにし、ブリュッセルの国内政策への影響力を縮小する構想だ。協議が失敗した場合には、ドイツのEU加盟継続を問う国民投票を実施する案も盛り込まれている。

一方、AfDの欧州政策を担当するペーター・ベーリンガー(Peter Boehringer)氏は、これを政策転換とは認めていない。同氏は、EU条約の見直し協議をまず行い、それでも改革できなければ離脱を検討するという考えは従来の立場と整合すると説明している。つまり、EUからの即時離脱ではなく、まずEUそのものを大幅に変えることを優先する戦略と位置付けている。

AfDは2015年のシリアなどからの難民流入以降、移民・難民政策への反対を強く打ち出し、支持を拡大してきた。2025年の連邦議会選挙ではメルツ(Friedrich Merz)首相率いる連立与党に次ぐ勢力となり、2029年までの政権奪取を目指している。

ただ、他の政党はAfDとの協力を拒否している。情報機関はAfDを「極右過激派」と位置付けているが、同党はこの評価を否定している。

AfDは来年の党大会で新たな政策方針を承認する予定で、今回の戦略文書が正式な政策変更につながるかが焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ