◎国民連合の大統領候補に対するEUの調査は、決選投票まであと1週間という差し迫った時期に発表された。
2022年4月15日/フランス、南部の市場、スカーフをつけたイスラム教徒の女性に詰め寄られるル・ペン党首(Daniel Cole/AP通信)

フランスの検察当局は17日、極右国民連合のマリーヌ・ル・ペン党首とその党員が欧州議会の資金を不正に流用したとする欧州不正対策局(OLAF)の報告書を調査していると明らかにした。

AFP通信によると、パリ検察庁は4月11日にOLAFから報告書を受け取ったという。

公共放送フランス24は、「OLAFはル・ペン氏が2004年~2017年の欧州議会議員時代に、欧州議会の公金約13万7000ユーロ(約1870万円)を不正流用したと報告した」と報じている。

AFP通信によると、欧州議会は公金の不正流用疑惑の調査をOLAFに求めたという。

AFP通信は関係筋のコメントを引用し、「合計61万7000ユーロ(約8450万円)の公金が不正流用された可能性があり、当局は今後数週間のうちに金銭の回収を進めることになる」と報じた。

ル・ペン氏の事務所はメディアの質問に応じなかったと伝えられている。

一方、ル・ペン氏の弁護士はAFP通信の取材に対し、「OLAFの調査は2016年から行われており、ル・ペン氏は2021年3月に書面で質問を受けていた」と説明した。

またル・ペン氏の弁護士はニュース専門局BFM TVのインタビューの中で、「ル・ペン氏は不正流用を否認している」と述べた。弁護士によると、ル・ペン氏は尋問を受けておらず、OLAFの報告書も見ていないという。

ル・ペン氏は以前にも欧州議会議員時代に架空のアシスタント費を計上した疑いで調査されたことがある。

国民連合の大統領候補に対するEUの調査は、決選投票まであと1週間という差し迫った時期に発表され、フランス人を困惑させた。

ル・ペン党首と現職のマクロン大統領の支持率は拮抗している。

国民連合のジョルダン・バルデラ議員は17日に放送されたラジオEurope 1のインタビューの中で、「フランス人はマリーヌ・ル・ペンに害を与えようとするEUや関係機関の干渉に騙されない」と語った。「EUは大統領選に干渉すべきではありません...」

バルデラ議員によると、国民連合はOLAFに対して2件の法的措置を講じており、今回の報告書で3件目の訴えを起こす予定だという。

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