◎マクロン大統領の2期目は5月14日に正式にスタートする。
2022年5月7日/フランス、パリのエリゼ宮殿、エマニュエル・マクロン大統領(Gonzalo Fuentes/Pool/ロイター通信)

フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領は7日、パリのエリゼ宮殿で宣誓し、国民のために働き、ロシアのウクライナ侵攻をこれ以上悪化させないように行動すると誓った。

マクロン氏は4月24日の決選投票で極右国民連合のル・ペン(Marine Le Pen)党首を破り、再選を果たした。

マクロン氏は演説で、「フランスと欧州のために断固として行動する」と誓った。「フランスはより独立した国家となり、より良く生き、今世紀の課題に対してフランスと欧州独自の対応を構築するという目標を掲げ、容赦なく行動します」

またマクロン氏は、「政府と議会は政治、経済、社会、文化各界の組合、協会、その他の人々と協力することで国を統治し、社会的緊張を緩和する公正な方法を見いだす」と約束した。

「私はひとつだけ羅針盤を持つと約束します。それは奉仕することです。国に奉仕し、仲間に奉仕し、子どもや若者に奉仕し、より住みやすい地球とより生き生きとしたより強いフランスを構築するために働くと誓います」

演説に数時間費やすことも珍しくないマクロン大統領の宣誓演説は驚くほど短かった。演説後、マクロン大統領はゲストとの会話に時間を取った。

マクロン大統領は2年前、コロナウイルスが急速に広がると厳格な封鎖と感染予防対策を国民に命じ、ワクチンも積極的に展開した。現在コロナ規制はほとんど解除され、就任式でマスクを着用する人の姿はほとんど見られなかった。

AFP通信によると、就任式には子連れが多く出席し、少なくとも2人がベビーカーを持参していたという。マクロン大統領の継子や孫も出席した。

式には約500人のゲストが招待された。オランド(Francois Hollande)前大統領とサルコジ(Nicolas Sarkozy)元大統領を含む多くの政界関係者も出席した。

国営フランス24は「フランス政界は多様性を尊重するとしているが、招待客の大半はスーツを着た白人男性だった」と報じた。

社会党のオランド前大統領はメディアの取材に対し、「ウクライナ戦争、インフレ、購買力の低下、気候問題など、マクロン大統領はかなりの困難に直面すると思う」と語った。

またオランド氏は、マクロン氏が「新しい統治方法を模索する」というメッセージを出したことについて、「マクロン大統領は国の分断が進んでいることを懸念しているのだろう」と説明した。

マクロン氏の2期目は5月14日に正式にスタートする。

来月予定されている国民議会(下院)選挙が最初の試練になる。マクロン氏は与党「共和国前進」の単独過半数を維持するために、まもなく新政権を発足させるとみられる。

マクロン氏は大統領選の勢いを議会選に持ち込み、共和国前進と他の中道連立同盟の大勝利を目指している。中道派は定数577のうち300議席以上を占めている。

一方、長年分裂していた左派政党は今週、マクロン氏の独走を阻止し、極右の勢いを抑えるために、新たな連合を発足させることで合意した。

社会党、緑の党、共産党は大統領選で3位につけた強硬左派のメランション(Jean-Luc Melenchon)氏の「不服従のフランス」とタッグを組み、中道と極右に立ち向かう予定である。

メランション氏は7日、有権者に対し、「左派連合は議会選で勝利し、新連立政権を発足させる」と訴えた。「人民連合を発足させるためにはあなたの1票が必要です...」

2022年5月1日/フランス、パリのメーデー会場、「不服従のフランス」のジャンリュック・メランション氏(Lewis Joly/AP通信)
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