◎この予算には核兵器の近代化、諜報費、遠隔操作できる兵器の開発などが含まれている。
2023年2月9日/ルーマニア黒海沿岸、米仏合同軍事演習を視察するマクロン仏大統領(Vadim Ghirda/AP通信)

フランス議会は13日、ロシアによるウクライナ侵攻によって欧州の安全保障が脅威にさらされていることを受け、この10年間の防衛費を数十億ユーロ積み増すことに合意した。

マクロン(Emmanuel Macron)大統領はこの半世紀で最大となる4130億ユーロの防衛予算(2024~30年)を速やかに承認するよう上下両院に求めていた。

この予算には核兵器の近代化、諜報費、遠隔操作できる兵器の開発などが含まれている。

国防省は「自由、安全保障、繁栄、世界におけるフランスの地位」を確保するためには防衛費の増額が欠かせないと主張している。

また同省はフランスが1960年代に核兵器開発に多くの予算を投じ、世界有数の軍事大国になったことにも言及している。

マクロン政権の防衛計画には予備役の倍増、サイバーセキュリティの強化、ウクライナと自軍への兵器供給に必要な生産ラインの増強などが含まれている。

2024~30年の防衛費は2019~25年の2950億ユーロを大幅に上回った。

国民議会(下院)は12日、予算案を賛成244ー反対37で可決。保守派で構成される上院は13日、これを賛成313ー反対17の圧倒的賛成多数で可決した。

マクロン氏の中道連立連合は上下両院で過半数を占めていないが、野党は防衛費についてはほぼ団結して増額を支持した。

マクロン氏は13日、フランス革命記念日(Bastille Day、7月14日)を記念する式典で国防当局者と会談する予定だ。

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